上達理論

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準備についてバドミントンの6要素トレーニング指導論研究論文

はじめに

上達するためには何が大切でしょうか。もちろんトレーニング(ゲームなども含む)、栄養補給、休養が上手くサイクルして「やりたい!」という気持ちになっていることが大切です。しかし、最近はバドミントンもかなりメジャーになってきており、ジュニア期から多くの試合をこなさなければならなく、さらにレベルも向上しているため、トーナメントも緒戦からかなり厳しい対戦になっています。したがってより効率的な練習や食事、休養の方法は何かを色々な所からの情報を元に実践されている方も多いと思います。もちろんそれは大切ですが、不思議なものでどれだけいい方法を実践してみても勝敗にはほんの微細な部分が影響している事も事実だと感じます。

「油断は大敵」

実力的に差がある場合でも、ほんの一瞬の油断とそれに伴うエラーがゲームの流れを一気に悪くします。例えば18−13で勝っている時、もう勝つだろうと結果に思考が向かった瞬間に脳血流量は一気に下がり(林成之氏著作より)、体の動きがぎこちなくなります。相手は“1点でも多く取る”と集中しているのでとたんにその攻めが受け身になり前へ出られて押し込まれる。点数が縮まるので慌てて「これではだめだ、なんとかしないと」と気持ちを入れ替えようとしても肝心の脳にはまだ血流量が不十分であるため体の切れは悪い。そうこうしているうちに追いつかれて勝負の行方がわからなくなるということは多くの人が経験した事があるのではないでしょうか。私個人的に感じるのは「5点差」がピンチでありチャンスでもあると思う状況です。競っているときは誰でも頑張ります。そういう逆境ではなく特に勝っているときの順境にどれだけ耐える事ができるかがとても大切であると考えます。

「今何をすべきか」

逆に「勝つ!」という結果ではなく、「○○に打ち込む!」「上げずに沈める!」など具体的に何をしなければならないかイメージできているときはその行為に集中できているため、そこから「ミスする感じが無い」「何でも出来そう」といういわゆる「ゾーン」に入り、すばらしいパフォーマンスが出る事もあります。ただ、「今何をすべきか」がわかれば努力の方向もわかるのですが、試合中にしかも時間が限られている中で決断するのはとても勇気のいる事だと思います。ですので、常にそのような状況を練習で意識する事がとても大切で、その練習をさらに好奇心と感動する心でする事ができれば直感を育む事ができます。これは数値化されないので客観性に欠けますが直感から来る違和感はとても大切にしなければならない事だと考えています。練習だからといって「諦め」たり、「油断」したりするのはまさにそれがここぞという大切な時にマイナス思考として出てしまうという事に気づかなければなりません。

「今頑張ってもどうせ勝てない」

よく試合で見かけるのが点数差が開いて負けている時、いいプレーが出たとしても「1点取ったところでどうせ勝てない」という思考(過去の記憶?)から「どうせ頑張っても負けるのだから頑張るのは損だ」という「損得勘定」です。これは勝っている時には「油断」、負けている時には「諦め」という形で出てくるので「競っている時」以外はいいパフォーマンスにつながりません。逆に考えると「競っている」状況が満足であるため、その状況を知らず知らずのうちに再現させているのかもしれません。そして満足を得た時には勝つためではなくただの自己アピールに終わります。この「損得」の計算する習慣は日常の生活に密着しているためなかなか客観的になれず、家庭環境も大きく影響してくるので難敵です。目の前の損得に左右されない心構えを普段から意識してください。
ただ、経済に関しては損をする商売は論外なので話は違います。

「挨拶、返事、靴の踵(かかと)を揃える」

「素直で明るい」。多くの指導者が口を揃えて一流選手をそう例えます。さらに「謙虚だが大胆」とも言われます。客観的にみてそのような性格であればいいのですが、人は社会生活を営む上で色々な顔を使い分けているので、自分の性格ほど自分自身がつかみにくいものはありません。しかし、そういう自分の良い面も悪い面も含めて受け入れなければ自己否定感から自分自身を好きになれないため、周りの意見も耳に入りません。そこで日常から「挨拶、返事、靴の踵を揃える」を習慣付ける事で損得抜きの素直で明るい、そして持続できる性格に変わります。このような躾はジュニア期には特に大切であり、指導者はアメとムチを使い分けるのではなく「人としてどう生きるのか」の種を確実に蒔かなければならないと思います。そのため以下の3つについては指導者自身も実践する事が望ましいでしょう。

挨拶・・・「おはようございます!」「こんにちは!」など相手よりも早く行う。人によってするかしないかを判断しない。

返事・・・呼ばれたら“すぐ”に大きな声で「ハイッ!」と返事する。

靴の踵を揃える・・・下足箱などに靴を入れる場合、縁に踵部分を“ピタッ”と合わせる。トイレなど脱いだスリッパは揃える。引いたイスなどは入れる。

モチベーション

「勝ったら焼き肉な!」
プロの世界では賞金が出る事もあり、それがモチベーションになる事もあります。しかしそれが長続きするとは言い難いものがあります。ジュニアナショナルの大会においてもそのような“ご褒美”をちらつかせる言葉が出たので冗談であって欲しいと思ったものです。そのような外発的動機づけである“ご褒美”や“怒ること”は一時的にやる気は出るものの長続きはしません。その刺激に慣れてしまうからです。如何に自らこうしたい!という内発的な動機づけを強くするかがとても大切です。そのためには自らの選択による決断が不可欠です。ですので何事においても「やらされ」ている状態を変えていかなければなりません。

報酬とは

バドミントンをやる事の報酬は何でしょうか。もちろん「勝つ」事でしょう!と考える方は多いと思いますし、その経験は必要です。「勝つ」ことで仕事が増えたり、友達や周りからの賞賛も増えるかもしれません。指導者はもちろん勝たせる為に指導しますし、私自身のプレーに関しても常に上を目指して勝利したいと考えています。しかし、本当の報酬は「勝った」事ではありません。勝負には終わりがありません。勝ったら次も、もっと上をと次から次へと目標が出てきます。周りからの目も知らないうちに期待を膨らませ、対戦相手からは「敵」として見られる事もあるかもしれません。
勝つために今まで色々な事を悩み試してきているはずです。そしてその時々で結果が出ている。そこからさらに「もう少しこうすれば」と工夫を思いつき試行錯誤に入る。そのような「ある障壁をどう乗り越えられるか」を真剣に試している経験こそが報酬なのだと思います。人生はバドミントンだけではありません。視点を変え色々な角度から問題を直視できるということがとても大切です。

掃除は心の掃除

きたない所を触るのは誰でも嫌がるものです。しかし、日常生活での感情の抑揚から多くストレスを抱え、解消されない事もあります。一番おすすめなのはやはり掃除。綺麗であってもより綺麗にする気持ちと、さらに掃除する行為に集中する事で、心が整理されていきます。机などや部屋も同じで、散らかっているとその部分から負の波動が出てきて身体や心に影響を与えます。「断捨離」が話題になっているのもうなずけます。さらに進めて実践できるのであればやはりヨガと瞑想は避けて通れません。これは宗教ではなく心身共に調整する最も効果的な方法です。瞑想実践おすすめ本は「問題解決のための瞑想法:天外伺朗著」です。

心と身体は影響し合っている

良いパフォーマンスを出すためには心はある程度緊張感を保ち、身体は程よく脱力できていなければなりません。心に緊張感が無くリラックスしきってしまったり、体もやる気に満ち過ぎて力んでいる状態ではうまくいきません。この「程よく」、つまり楽器の弦でいう張りすぎず、緩みすぎずというところです。

心から体へ・・・「試す事に失敗は無い!」「プレッシャーはみんな同じ!」など念じる。

体から心へ・・・体が軽く感じる、力んでいると感じるときは前腕を内転させて肩の力を抜く。軽くジャンプして着地時に体重を床に落とすようにイメージする。呼吸をゆっくり深く3回吐き出す。逆に心が何となくやる気になっていないときは5〜10回強く息を「フッ!フッ!フッ!・・」と吐き出す。

トレーニング→食事→休養のルーティン

トレーニング

トレーニングで「ストレス」を作り、その後の食事・休養という「回復」を繰り返すことで体はより強靭になっていきます。このストレスには、肉体的・精神的 なもの両方が含まれます。「ストレス」と「回復」の波は大きければ大きいほどより強くタフになることができます。波が小さいとどうなるか…。ギプスをした ことのある人は、気付いたと思いますが、数週間ギプスをして外した後、その部位の筋肉はすっかり小さくなってしまっています。これは、「ストレスがかから ない状態」であると、この波が起こらなくなり、弱体化した一つの例です。

最近の指導場面で、「この選手はやる気がないから伸びない」「やる気をすぐになくしてしまう性格をしている」などと、選手の性格の問題として「やる気、モチベーション」を扱うことがみられます。人間は、本来「やる気」に満ちた状態が普通なのですが、目標を失っていたり、ストレスが強すぎる場合など、 ストレスと回復のバランスが崩れているときに「やる気がでない」状態を起こします。

図のように、正しくトレーニングと回復の曲線が作られている状態(幅は大きいほうが良い)では、積極的なやる気が出てきますが、ストレスが大きすぎる 状態(オーバートレーニング)では、痛みなどの症状が現れ、波が小さすぎる状態や回復が多すぎる状態(アンダートレーニング)では、無気力や無関心などの 症状が現れます。これではやる気は戻ってきません。

強いストレスを受けることは大切ですが、それに伴う回復を積極的に取ることも大切なのです。したがって、特に精神的なストレスを受け続けた後などは「ぼんやりする時間」を、自分で計画的に作る工夫が必要です。また、読書や音楽、映画、旅行などはとても良い時間の過ごし方だと思います。特に読書はいろんな人に出会え自分を磨く強力なツールになります。まずは読みたいジャンルから始め、そこで紹介されている本をつないで読んでいけば良いと思います。本当の出会いも必然、出会うべき時に出会っているのでチャンスを逃してはいけません。特にスポーツをする人には読書は必要だと思います。

肉体的にも精神的にもストレスを与えることが大切ですが、特に肉体的にトレーニングを積むことは、精神面にも影響を及ぼし、活動的で積極的な精神状態へと戻っていきます。

 

食事

ジュニア期などはよく「食べさせられる」光景を目にします。食の細い人にとっては苦しい訓練ですが、この食事トレーニングとも言えそうなものも一概に全ての人には当てはまらないのではないかと感じます。ただ、伸びる時には「食べなければならないものを食べたくなる」ものであり、好き嫌いなども食べなければならないと本人が自覚した時には率先して食べるようになるものです。最近の話題では、トップアスリートは朝食を腹一杯食べるのではなく、「青汁だけ」「ヨーグルトとフルーツだけ」「野菜ジュースだけ」「水だけ飲んで食べない」というアンケート結果もあるようです。ただ、ジャンクフードばかり食べたくなるのは明らかに体に異状があります。逆に体がそういうときはそのようなものが欲しくなってしまうので注意すべきタイミングなのかもしれません。
また、内蔵の調子はとてもプレーに影響するため、試合前などは食べる内容に特に注意すべきだと思います。私の感覚では食べたくなるものはそれにしたがいますが、そうでない場合はできるだけ炭水化物のような消化の良いものを選ぶようにしています。摂取する時はお腹が鳴るようなタイミングが大切です。逆に試合後やきつい運動の後は肉類を食べたくなります。それも自然なのかもしれません。

 

休養

極度の痛みを伴うような場合完全に安静にします。それ以外は積極的に行動し、ジョギングや旅、読書に没頭するなどが 望ましいです。仕事などで精神的にストレスを受けた後は、積極的にルーティンされたトレーニングを行うことでより回復ができます。タバコは中毒症状から回復を妨げ、アルコールは分解に回復力を使うため本来回復してほしい部分まで回復が 至らない場合があります。

大切なことは、休養するための時間を計画的に自分で作り出すことです。

ジム・レーヤー氏の著作「メンタルタフネス」に「今日だけは」という詩があります。是非実践してみてください。

 

今日だけは
私の前に問題が立ちはだかっても、それにチャレンジしていこう。今日、私は偉大な問題解決者になる。

今日だけは
私は戦いが好きになる。私は自分自身で楽しい状態を作り出せる。私は自分に与えられたものを受け入れ、文句はいわない。

今日だけは
私は適切にエクササイズし、食事をし、訓練をする。自己鍛錬が私の求めていた自信をもたらす。

今日だけは
私は自分がどう感じるかの責任を持つ。感情のなすがままにはならない。

今日だけは
私はリラックスし、ぼんやりする時間をとる。リカバリーは私のトレーニングに必須のものだ。

今日だけは
私は従うべきプランをもつ。プランがあるから私は焦点を定め、きちんと整理できるようになる。

今日だけは
「時間があれば」と言うのをやめる。時間がほしければ時間を作るようにする。

今日だけは
私は自分の間違いの中にユーモアを見つける。心の中から笑うことができれば、私は自分自身をコントロールできるということだ。

今日だけは
私は最善を尽くす。自分のやったことに満足する。

今日だけは
トレーニングのルーティングでいつものことを非常にうまくやる。小さなことが決定的な違いを生み出すからだ。

今日だけは
私が自分自身の中に決定的な違いを生じさせ、自分の世界をコントロールしていると信じることに決める。

その選択は、私自身が行う。

<参考文献>
ジム・レーヤー 重川元志訳 「メンタルタフネス」 KKベストセラーズ ワニ文庫

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