「荒しこ」「中しこ」「上しこ」
「山岡鉄舟 剣禅話」より大工の鉋(かんな)の話がありました。鉋の仕事には「荒しこ」「中しこ」「上しこ」という使う段階があるといいます。
「荒しこ」…体全体の力を込め、力を抜かずに十分に荒削りをする 「中しこ」…ただ全身の力を入れればいいというものではなく自然の手加減をすることが大切である。しかし、荒しこの気分をすっかりなくしてしまってはならない。 「上しこ」…1本の柱であれば上から下まで一回の鉋で削らなければならない。心が落ち着いていなければ「むら」が出てしまう。 ここでは「心技体」ではなく「心体業」という言葉を使って表現されていました。このうちのどれがかけてもうまく仕上げることができず、人間が削ると思えば鉋が引っかかり、鉋が削ると思えば柱が離れてしまうということです。 柱をうまく削るには、最初の「荒しこ」をしっかりと練習すれば後の中しこ、上しこもうまくいくようになると言われていました。 道具を使うバドミントンにおいても当てはまるところが非常に多いと感じました。しっかりと体を使って練習し、ラケットと体のバランスをうまく感じていくことがシャトルをうまくコントロールするために必要であると思います。そのための「心体業」。このバランスを磨くために日々の鍛錬があるのだと思います。 参考文献:「山岡鉄舟 剣禅話」 高野 澄編訳 タチバナ教養文庫 |