指導理論
さて、前回は強い選手に何を指導すればいいかわからないというところまでお話ししました。
そんな非常勤講師が専任教諭になるチャンスが訪れ、体育教師から英語教師になる為の免許取得勉強の日々が始まりました。学校からの教科指定採用だったので仕方が無かったのですが、なんで英語なの?とぶつぶつ言いながらの勉強だったのでなかなか頭に入りませんでした。ただレポートや勉強は苦手ではなかったのでなんとか1年で取得することができました。学力的に低いこともあり何とかなるだろうとも思っていましたが...。 実は私は外国語科の高校を卒業しています。なんで外国語科なの?というとただ単に受験で外国語科がダメだったら普通科へのまわし合格があるからという理由だったからです。なんとか引っかかって合格できたものの英語は苦手でした。中学1年生の始めに「are」がなんで「アー」と発音するんだ?でつまずいていたからです。そんなこともあり選択科目では数学を選択し英語から逃げてばかりでした。どこで何がつながるかわかりません。次の学校は英語に力を入れているためかなり英語力を上げなければなりません。勉強はしていますが力がついているかどうかはわかりません。しかしやっていくうちに以前に比べて英語を勉強することが苦にならなくはなってきました。 さてさて、英語教師としてバドミントン部の顧問となり、コーチの立場でいろいろと本格的に見ていくこととなりました。そんな中、今後国体関係ではC級スポーツコーチ(現在はコーチ)の資格が必要になるということで日体協スポーツコーチ資格講習を受講しました。共通講習はそれはそれは眠たくて大変でしたが何とかレポートと試験をパスしました。専門講習では初めて阿部一佳先生(当時筑波大学教授)の講義を受けました。ものすごくわかりやすく、しかも深く、当時のオリンピックチャンピオンのタウフィック選手をスタンダードモデルとしたお話で私にとっては目から鱗が落ちるほど衝撃的な内容ばかりでした。上肢の回旋運動などはわかっていましたが、膝関節が関わるプレローディングや肩関節の強い形など、今までよほど無理して打っていて筋肉を酷使していたんだなと思いました。トレーニングでもいろいろなインターバルトレーニングがあり、心拍数が負荷の目安とされていたことには驚きました。私もモデルとしてオールアウト(限界まで続ける)のノックを受けましたが早々にぶっ倒れました(笑)。客観的指標は大切です。ですのでバドミンントンで使う言葉も共通の正しい言葉を使うよう指導がありました。例えば「ミス」は「エラー」、「フェイント」は「ディセプション」、「シングルやダブル」は「シングルス、ダブルス」、「サーブ」は「サービス」など自分でも恥ずかしいくらい当てはまりました。 数日間の講習を終え、学んだことを学校へ帰っていろいろと実践しました。そうすると生徒達のフォームに不利な点がたくさん見つかりいろいろと指摘することができるようになり、そうしているうちに徐々にコーチとしての自信が芽生えてきました。しかし、相手は高校生。ゲームの途中で諦めたり、怒ったりとメンタル的な要因で負けたりすることは依然減りませんでした。技術的には向上したのにそれを使いこなせない...やはりメンタル的な要素はとても大切だと痛感せざるを得ませんでした。講習会ではフォームの技術向上と体力強化がメインテーマでメンタル的な要素にはほとんど触れることは無く、しかも西洋の考え方に偏っているようにも思えました。バドミントンはもちろんヨーロッパから入ってきているので西洋から学ぶのも大切ですが、日本人には日本人にあったやり方があるのではないかと思うようになり勉強を始めました。しかしバドミントン関連の著書でそのあたりが書かれている物は絶無だったので、とりあえず「スラムダンク勝利学」から入っていきました(^^) 〜続く〜 |