体罰
日本体育協会公認コーチの資格を持っているので、年に数回「指導者のためのスポーツジャーナル」という雑誌が送られてきます。今回は「体罰」についての記事が指導者の体験談とともに掲載されていました。
「暴力で根性を養えるわけがない」元プロ野球選手・野球解説者 桑田真澄氏 「体罰は指導者のエゴにすぎない」大相撲尾車部屋親方 尾車浩一氏 「熱意を体罰に転化させない」東京女子体育大学心理研究室教授 阿江美恵子氏 というタイトルが付けられていました。 日本では注目される野球、相撲では昔からそういう話題が表面に現れてきている種目だけ(他の種目でも同様だと思いますが)に、特に興味を持って読みました。 「プロだって三振するし10割は打てません。エラーだってします。なのに子供がミスしたからといって殴ったり怒鳴ったり。そのくせ自分はぱかぱかとタバコを吸っている。・・略・・自分に優しく選手に厳しいなんて最悪の指導者だと思います。大人として卑怯な振る舞いですよ。」(桑田氏) 「教えても教えてもできないあまり暴力や体罰を与えるのは、子供の能力を伸ばすためではなくて、子供を思うままに支配しようという指導者のエゴ。」(尾車氏) 「指導者の熱意というものはよくわかっていて、その熱意ある先生からであれば体罰を受けても容認する意識が強く見られました。」(阿江氏) 強豪チームではよくありそうな光景。私もいろいろなところでそういう光景を目の当たりにしてきました。しかし、結果が出るとつい「指導者のおかげです」となってしまい、結果が出ないと「私(選手)のせいだ」とすり替えられてしまうんですね。 この3人の方の話で共通しているのが、 「自分で考えて自分で行動を起こさせる」 「自分の(選手時代の)体験は踏襲しない」 「指導には時間がかかる」 というものでした。「自分で考えないと自信も根性もつきません(桑田氏)」「自分の限界をきめず最後まで稽古をやり抜くことで自信がつく(尾車氏)」。そこに体罰は必要ないということです。 また、「短期間で答えを出し急ぎすぎたために、競技生命を絶たれてしまった選手達が子供達がたくさんいる(阿江氏)」「指導には長い時間がかかる、仮に途中で辞めたとしても学んだことが次の世界で通じるような一人前の人間に育てていくのが私の仕事です(尾車氏)」などの意見もありました。 「体罰は教育の放棄」(山梨大学教授 寺崎氏)という言葉も心に残りました。 |
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