全日本シニア
全日本シニアが宮城県仙台市で行われました。シニアの部のインターハイという感じでしょうか。しかし、高校のインターハイでは都道府県ごとに2枠が決められていますが、この大会は強豪県からの参加が多く(登録人数が多いため)、ここ数年は緒戦からとても厳しい対戦となってきています。その上、一日の試合数は4〜5試合。まさにアイアンマンレースのようです。センスで勝てるのは数年だけ。後は練習量と心だけが頼りになります。それにしてもこの大会に参加される選手の多くはとても謙虚で、笑顔を絶やしません。それを失った選手はやはり大事なところで実力どおりの結果には届いていないようです。決勝戦で数試合、そのような結果になっているのを目の当たりにし、あらためて謙虚さの大切さ、油断の怖さを学びました。観客が応援したくなるような姿勢がやはり大切です(知り合いでなくても)。
さて、私は35歳以上のダブルス、シングルスに出場しました。 ダブルスではベスト8という結果に終わりました。2回戦の激戦で学んだことは、「体が引き延ばされて打つスマッシュの危うさ」でした。とにかく強く打ちたい意識のもと、リズムが合っていないにもかかわらずジャンプして(固くなっているため)、シャトルに対して体が伸び切ってスマッシュすると、着地した後でもリズムが乱れ、次への返球に対しても「無理矢理」のショットが多くなってしまいエラーする確率が高くなってしまうのです。おそらく重心が高く移動してしまい、俗に言う「腰が高い」状態になってしまっているのでしょう。ジャンプしたとしても、インパクト時には体はある程度ゆるんだ状態が大切です。特にジャンピングドロップは体のゆるみを確認できるショットです。しっかりとこれから練習したいと思います。 準々決勝では強豪ペアと対戦しましたが、アタックの強さと細やかな緩急ショットに圧倒されてしまい、ラリーをさせてくれませんでした。久しぶりの完敗でした。 シングルスでは、緒戦から激戦続きでしたが、なんとかベスト16に入ることが出来ました。緒戦では少し体力の温存を考えて、ラリーをゆっくりとまわしていたのですが、やはり、そんなことをするような余裕(技術)はなかったと反省しています。ファイナルの後半、5−11のビハインドから開き直り、アタック中心に攻めました。すると今まで取りにくかった相手のドロップショットも前で対応できるようになり、加えて相手からのロビングも浅くなり始め、逆転に成功しました。攻撃はやはり大切です。リズム感が戻れば疲れも少ないのですね。 2回戦ももつれました。サイド、サイド攻撃ではやはり単調で、前へのリターンで追い込まれましたが、発想の転換(開き直り?)で、センターへのネットやハーフ、ボディーへのアタックを中心に攻め、ギリギリ勝ちを拾いました。 3回戦ではようやく普段の柔らかさが戻ってきた感覚があり、相手のカットやスマッシュをハーフに沈めてから攻撃する展開へと持っていくことが出来ました。今までは、前に置くのが怖く、後へアタックロブばかり打っては攻め込まれていました。気持ちって恐ろしいですね。 4回戦ではドロップとネットのとても上手な選手と対戦しました。1ゲーム目は全く対応できず9−21で負け。よくよく振り返ると相手のドロップに対して上げてばかりでした。後から前後に揺さぶられ何も出来ない状態です。ネットの上手な相手にネット勝負を挑むのは勇気がいりますが、ここは「試されてる」と考え、「上げない勇気がどれだけあるか」に挑戦しました。ネット下で触るものの、ネットの高さでお辞儀するネットがようやく出始め、2ゲーム目は勝利。しかし、ファイナルゲームは今までの激戦でかなり息があがってしまっていました。もはやすべてをかける気持ちで、中盤までは競り合うことが出来ましたが、後半は差を開けられ、15−20。もはや運を天に任せる気持ちで1点取って16−20。後はサービスをエラーしないことだけを考え、ゆっくりと打ち出していました。思ってもいないような制球と相手のエラーで19−20。しかし、最後は相手のカットスマッシュがオンラインに決まりゲームセットでした。 最終日は試合観戦でした。シングルスではクリアやアタックとともにカット(スライス)ショットをとても上手く使って、ラリーのテンポを調整するとともに、相手の足も止め、さらに相手に下で触らせるという展開を多く見かけました。特にラウンド奥からクロスにカットするショットはシングルスでは必須です。このあたりをよくよくイメージしてこれから練習したいと思います。 この試合が終わったとともに、もう来年への準備が始まります。今日は生徒達にこの大会での様子と、普段の心がけを話しました。 「人は言葉で思考する動物。感情をコントロールする言葉を上手く使いこなさなければ、すぐ強い感情に流されてしまう。言葉を多く使うにはやはり読書が大切。」 「言葉が変われば思考が変わる。思考が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば性格が変わる。性格が変われば運命が変わる。」 |
コメント
対戦記、興味深く読ませて頂きました。 自分はシニアの年齢になったときにはすでに海外在住なので日本のシニアプレーヤーや大会を見る機会がなく、彼らが年齢による動きの衰えをどうカバーしているのかに大変興味があります。 これからもシニア大会のみならず、コーチの生徒さんたちの試合観戦記をたのしみにしています。
| ブッシュ | mail | url | 1970/01/01 9:00 |
ブッシュさん
ありがとうございます。「速い動きをしたければ筋力を鍛える」に疑問を抱き、いろいろと試行錯誤しています。 人間の運動は非常に複雑な要素で成り立っていることを、これから感覚で感じなければと思っています。
| けいいちん | mail | url | 1970/01/01 9:00 |
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