違和感をどう乗り越えるか
全日本総合に生徒4名が出場してきました。生徒が4名も出場できていることにまず驚きです。シングルス予選ではインカレ8強の選手を見事振り切り本戦へ、ダブルス予選は初戦突破するものの2回戦で敗退。しかし、この舞台で一勝できたことは励みになると思います。本戦にはシングルス2名、ダブルス1組の出場です。「このラリーをとる」為にあらゆることを試してもらいたいですが、様々な心の葛藤に悩まされると思います。なかでも油断や失敗への後悔は禁物。平常心を保つために「さあ、今できること!」の気持ちで戦ってきてほしいと思います。ダブルスでは難しいんですけどね・・・・間を取るということもお互いの呼吸が違うと。
私も全日本シニアが終わり、まだまだ試合の情景が脳裏に焼き付いています。「緩めのスマッシュをどう効かせるか」「サービス前のルーティンをどう確立するか」が今の課題です。戦術についてもコントロールされた球を打つとともに、相手に悟られないショットが必要です。そのためには地面にちゃんと立つための「心」が大切。不安感があると頭に意識が集まります。「できる!」思い込んでやってみてもやはり体が感じる違和感に嘘はつきません。その中でも上半身がバランスをとれていないと下半身は「ちゃんと立つこと」に力を使ってしまいます。最近感じているのは、上半身のバランスが崩れるきっかけになっているのはやはり肩甲骨の力みではないかということです。昨日の練習であまりにもショートサービスが浮いてしまうので色々と試行錯誤していました。原因はシャトルをセットする時に両腕を前に出し過ぎているのではないかということでした。そのために肩甲骨が前側へ押し出された状態でのセットになり、そこからではシャトルを押し出す動作がとても窮屈になります。当たり前のことなのですがサービスを沈めて入れないと...というプレッシャーからそのような体の違和感も無視しようとしてしまっていました。相手も構えていることですし。少し肩甲骨を後ろに引いてあげる動作から始めるとすとんと肩甲骨が納まり、上半身の姿勢も安定したように感じました。 上手くいっているときは何の違和感も感じることなく動作を行っているので、いざ、ずれてくるとどうして上手くいっていたのかわからなくなります。練習では上手くいった瞬間に喜びますが、その瞬間後に理由を冷静に見つめることも大切であると思いました。ただ、それがすべての修正に役立つとは言い切れないので、常にそういうアンテナを張っておかなければなりません。厳密にいうと二度と同じプレーは出来ないわけですから。 ・・・追伸・・・ 全日本総合ではシングルスでベスト8に残るという快挙を達成してくれました。しかし、試合から帰ってくると、日韓高校生交流戦、全国選抜近畿予選、年が明けると全日本ジュニア合宿とU-19ナショナルメンバー選考合宿と気の抜けない日々が続きます。「休みが欲しい!」という声も聞きますが、皆の代表なので、範となる姿勢を貫いてほしいと思っています。 |
指導者講習会とバドアカ講習会のお知らせ
大阪府バドミントン協会より依頼を受け、4級の指導者講習会がありました。2時間の実習講習を受け持ちました。年齢に合わせた練習の実際と実習でしたが、私は高校生の指導についての経験談と実践していることをお話しさせていただきました。
現在の高校生は非常に技術レベルが高くなっているため、私がどんどんスパーリングの相手をして実践指導する・・・なんてことは年々出来なくなってきています。しかし、選手の日々の変化やトップレベル技術の変遷などは伝えることができますし、体の使い方や心の持ちようなどは年齢が高くなっても気づくことができます。受講者の方々は指導するターゲットも様々であったため、今回は「指導とは」について考えていることをお話ししました。 「指導するということは、指導しないことである」 矛盾するような話から始めさせていただきましたが、色々な知識を学ぶことはとても大切です。しかし、それをそのまま伝えてもやはり説得力がなく、どこか他人事の話のようになってしまいます。指導者は色々な知識を溜め込むことよりも、何からでもいいので学んだことを実際に実践することから始めることが大切だとお伝えしました。実践していくと、ふと腑に落ちる体験を伴うことが起こってきます。そうなればむしろ色々な知識は捨てていく気持ちが大切です。 そうなった体験話は一方通行ではなく、指導者と選手の感覚の相違の意見交換につながります。人それぞれ違いのある中で「こうである」という固定観念がすべてにおいて通用するものではありません。指導者から「変な癖」と思われていることでも、それを修正することでむしろ競技力が下がってしまうことも実際にはあります。 今回の講習会では受講生の方に実際に練習メニューを考えていただき、コートで実践していただきました。それについて私が気づいたことをコメントさせていただきました。細かい動きについての話は避けましたが(個人的な感覚かもしれないのと、教科書からは逸脱し過ぎているので)、なぜそうなるのか、なぜそれが必要なのかについて考えていただくきっかけになったと思います。それが正解!というのはないので私も押し付けにならないように心がけました。 1月26日(日)には、弟が勤務する名古屋市のトライデントスポーツ医療看護専門学校の体育館をお借りしてバドミントンの講習会を行う予定です。弟による実技講習をメインに時間が合えば私も駆けつける予定です。機会があればお越し下さい! 実施スケジュールや申し込み方法はこちらをご覧下さい。 |