卒業式
先日は卒業式がありました。私は3年生の担任なので送り出す立場です。バドミントン部の3年生の生徒は全員私のクラスでしたので色々な思い出が思い起こされました。最後のホームルームでは保護者の方々に見守られながら卒業証書を手渡します。授業参観のようで緊張しました。
さて、何を話そうかと色々と考えて準備していました。やはり最近の身内の不幸という出来事から生というものについてどう考えるかがテーマかなと思いました。まずは私の高校時代の卒業式の思い出....変形制服が見つかり怒られる(笑)・・・から話を始め、本題へ。 「これから色々な困難が必ず待ち受けています。生老病死の苦は必ずつきまとう上に人間関係が最も苦しいかもしれません。なぜ生きているんだろう、生きる意味は何だろうと考えることもあるかもしれません。しかし、その事について考えるという事は大切な事ですが答えは出ません。ですので、なぜ生きているのかというよりも死なない工夫を考える事が最も大切です(南直哉禅師が語るものをパクる・・)。 さて、1年生で入学してきて、意味もわからず30分の座禅から始まりましたが(苦笑)、その後自分の心は少しでも観察することができましたか?雑念がむくむく出てきて10秒たりとも集中できないことがわかると思います。ましてや競技中など結果が頭をよぎり平常心を保つ事は難しいですね。そして、入学式後に話したこのクラスの(損得を抜きにした)3つの心得(約束)は何だったしょう・・・?当ててもなかなか答えられず・・・。 「挨拶」「返事」「靴の踵を揃える事」ですね。その根底を支えるのが「腰骨を立てる」という事でした。 これから苦しいことが色々と起こります。その時は腰骨を立て、ゆっくりと呼吸をしてみてください。身体から心が整っていくことがわかるようになると思います。心と身体は密接につながっています。頭で思考をこねくり回すだけではなく、身体からの信号に意識を向けていく事も大切です。」 というような内容で話したと思います。20分くらい話しましたがなかなか上手くはまとめられません。「TED」というアメリカのスピーチ動画を参考に話の中にジョークも混ぜながら...なんて考えていましたが、そんな余裕はありませんでした。 4月からはもしかすると新入生を受け持つかも・・・。また始まるのか、という感じです。 |
近畿シニア
1、2日は奈良県で近畿総合シニアの部がありました。ダブルスとミックスダブルスのエントリーでした。全日本ではダブルスは3位でしたが、その中で学んだものを活かすことができるかというのが今回の課題でした。「打ち抜く!」なんて鼻息荒くコートに入るとジャンプからのバランスの崩れとイメージとのギャップに苛まれます。とにかくラリーを切られないように「一本一本、意味(意図)のあるショット」を心がけました。
緒戦、なんとか力まずにコートに入ることができて突破。二回戦は高校時代の先輩との対戦です。対戦経験が少ない上に、高校時代は負けた経験しかないので少し不安でした。フォアハンドからのリバースストレートショットに翻弄させられましたが、大きくクリアする中でチャンスを作ることができました。ペアの方も背が高く足も強くなかなか手強かったですが、終盤は足が少し止まったようで、ハーフショットでのエラーが目立つようになっていました。 3回戦は何度も対戦した事のある、しかも全日本シニアでも上位進出する相手です。強打とつなぎ、それ以上に決まるパターンに上手くはめてくる強敵です。1ゲーム目は相手のエラーも多くなんとか逃げましたが、2ゲーム目はやはり沈めるショットからのこちらのロブの甘いところを潜り込んでアタックする攻撃が連続してきました。その作りとしてサービス周りでの先手を取られる戦法にはかなり手こずりました。やはり、サービス周りで触らなければならないところと、後ろに任せるところはゲームの流れによっては変えていかなければ相手の変化についていけないと思いました。打つようで後ろに仕事をさせる、打たないようで捕まえて先手を取る、なかなか難しいですがゲームの序盤と終盤でははっきりと流れは変わっていたなと思いました。試合はぎりぎりのところで勝利でした。 決勝戦は何度も会場で会いながらも私はあまり対戦した事がないペアでした。一人が上手く沈め、もう一人が強打で押してくるペアでした。ダブルスのオーソドックスな強い形ですね。最初のコートは見えにくい方から入ったのですが、相手の少し高いスマッシュ、プッシュが捉え辛くエラーの連続。自分でもなぜフレームに当たるのかわからないくらい「あれ?」という違和感です。試合では見えにくいコートから入る事にしていますが、相手にもよります。見えやすい方から入り1ゲーム先取できるならそれをプレッシャーに使える時もありますので。ぎりぎりに所で1ゲームを先取。「ほっと一息」でした。2ゲーム目は見えやすいコート。案の定、相手はこちらの少し高いスマッシュなどが見えにくいようでエラーが出てきていました。その中で相手は猛然とアタックと前陣を取ってきました。しかし、こちらはシャトルがよく見えるため、相手のプッシュも押し返すことができました。なんとか優勝。ほっと一安心でした。 翌日はミックスダブルス。府内でもなかなか勝てないので「なるようにしか・・・」なんて思っていましたが、やはり勝ちたいもの。緒戦は再度高校時代の先輩との対戦になっていました。あのフォアからのショットは危ないな・・と考えていました。すると、ペアの女性の方はネット前でのブロックが非常に上手く、アタックが前に落とされ、その返球をコースを変えたネットでやられます。こちらのアタックをそれほどまでに読み切りブロックするのはなかなか出来ない事だなと思いましたが、逆にそう待たせようとも思いました。強打ではなく浮かせずにネット下で触らせるようにして相手からの返球を前衛に詰めてもらいました。その中で前に入ってくるところをクリアで攻め、その返球はまた強打ではなく沈める。そうしていると上手くまわることができました。 次の2回戦は今まで勝った事のないペアが相手でした。 「絶対にチャンス以外は強打しない!」 というのは今までの対戦で強打を返球されるところからこちらが崩されるパターンがとても多かったからです。強打して返球されることに自分の自尊心が傷つき、それを「そうじゃない!」とアピールしたいが為にさらに強打を連続するという、何とも稚拙な思考パターンにはまっていたのでしょう。強打とは上からはもちろん、低いところからの前衛を抜きたいが為のアタックロブも同じです。とにかくお辞儀するショットを多くし、棒球を少なくして相手が打ちやすいショットを少なくしていきました。相手は少し力んでくれたのか強打のエラーが目立っていました。初勝利!やった感が少ないのは少し残念ですが(まだ、自尊心(欲望?)がうずいてる・・・)とにかく勝つための方法を実践できた事は良かったと思います。 決勝戦は同じチームのペアです。私のペアの元ペアの方との対戦で、非常に、非常にやりにくいのです。弱点を見透かされていますから。試合開始からとにかく相手にラリーを作られないように高いショット、ロビングやクリアでの展開になりました。相手も様子をうかがっているのか長いラリーが続きます。競り合う中でこちらのエラーが少し増えはじめ1ゲームを取られました。2ゲーム目はこれまた上手く女性を後ろに追いやられ、なかなか私がシャトルに触れません。10−15。もはや後はありません。「後ろに入る!!」と覚悟を決めるためなんとか流れを持ってこようと思い、相手が後ろから打つスマッシュに対してネット前に詰めてプッシュで返球。これがうまくいってエース。とにかく打たないと、という事でペアを前衛に促し後ろから作っていきました。15−15まで追いつくことができました。後は一進一退。しかし、最後は前衛のエラーを誘われて敗退してしまいました。しかし、今回はフォーメーションの欠点が浮き彫りにされ、後で色々と話をしました。後日、練習で試そうと思います。 試合後、なかなかの腰痛に悩まされていますが、ボールころころで様子をうかがいたいと思います(笑)。 |
名古屋で久しぶりに講習会!
先週末は名古屋で指導者対象バドミントン講習会の助手を務めてきました。ラケットの握り方から練習の段階、基礎打ちの意味とポイント、さらに発展しフットワークで押さえるべきコツや、リアクションステップなどをレクチャーしました。頭ではわかっていてもミスを恐れてか、いざ打ってみると力に頼ってしまっていたり、タイミングをとれていなかったりと様々でしたが、最後には色々な質問に対してお答えすることができたと思います。肩甲骨についてや骨盤についての話があまり出来ませんでしたが、また次回にでもお話しできればと思っています。学校の部活があるためなかなか時間が取れず外に出る事は難しいですが・・・。
今週の「プロフェッショナル」では遠藤保仁さんにスポットが当たっていました。「基本を繰り返す」事の大切さ、「自分から」やるべき事を実践するなど大変面白く、また、一流選手の考え方を勉強させてもらいました。中でも荷物の中に硬球が入っていて、マッサージ用に使用しているのを見て「やはりッ!」と思いました。私は昨年6月から3ヶ月くらい股関節痛に悩まされていました。病院に行ってもリハビリで色々な体操を教えてもらいましたが、よくなるには時間がかかると思っていました。そんな時に大西ひとみさんの「ボールペンストレッチ」の中で紹介されていたテニスボールを使ってのマッサージを思い出し、近くにあった固めのスポンジボールでマッサージをしてみました。痛気持ちよいところを探してやっていると「治りそう!」という実感とともに3日で痛みが激減しました。今では私のバッグに中にこのボールは必ず入っています。どこで何がつながるかわかりません。無駄だと思える事にも先入観なしに見つめていきたいと思います。 |
社会人リーグ戦
19日は社会人リーグ戦のメンバーがぎりぎりのため、久しぶりに団体戦に出場してきました。ダブルスーダブルスーシングルスの3試合で勝敗を決め、私は第2ダブルスでの出場でした。シングルスは先輩にお願いして出ていただいていたのでポイントできる可能性は低く、とにかくダブルスを2つ勝たないと勝利はありません。1試合目はリードを保ちながらなんとか最後までいきそうでしたが、最後の方では思いもよらない固さからのエラーの連続・・・。「落ち着け・・・何してる・・・」などの心のつぶやきは全く効果のないものですね。結果から一喜一憂している様子が客観的に見えて、面白くも感じます(その時はそんな余裕がないのですが、本当ならそういう時の笑顔が大切なんでしょうね・・・でも結果は別ものですが)。お互いにそんな心のやり取りを乗り越え結果が出るわけですが、幸い逃げ切ることができたものの何ともいえない憂鬱感が拭えません。相手には失礼ですが、結局自分の描くプレーとその実際のギャップから自尊心がちくちく痛むことから逃げようとしているのかもしれません。
「こんなはずじゃない・・もっと出来たのに・・」 しかし、結果は変わらないものです。いい訳を考えてもそれはまた自分を苦しめるだけ。人は自分自身の心でさえ全く理解することは出来ないものです。もともと自分自身のものでもないのですが・・・。 さて、2試合目。トップダブルスが取り、いよいよ私たち第2ダブルスの出番。相手はなかなかの若手ペアでした。スマッシュッ!!するものの、いきなりのカウンターエースッ!「あら?完全に読まれていた?」「まあ、こういうこともあるある」と落ち着かせながら進めていると、終盤盛り返すものの18−21。2ゲーム目、気を取り直して進めるものの、強打に頼るあまり、相手からのリターンを思うように攻められず5−11。ハーフタイムでペアの方に「ハーフスマッシュでいってみます」と告げ、打ちたくなっても打たない!と覚悟を決め実行。もしそれで前に出られて追い込まれたとしても焦らずに沈め続けるつもりでした。上手くいったのかなんとか追いつき逆転勝ち。ファイナルゲーム。いいペースで進めることができましたが、14−10で何となくイヤーな氣の抜け方を感じました。あっという間に14−15。「おいおいッ!!!」その後のラリーで、またしても強打を打ってしまいカウンターリターンエースで失点、14−16。「強い球はいらない!!」とベンチからの声。「やっぱりそうだった」と片手を挙げ、我を捨てようとつぶやきました。なんとか18−18で追いつき、そこからペアの方のスーパーサービスが炸裂。2本のロングサービスエースで逃げ切りました。終わった後はそういう心の葛藤からかどっと疲れが来ました。「とにかく沈めないと」と実行していたラリーはほとんど覚えていません。ただ、スマッシュはハーフで打ったのだけが断片的に記憶に残っています。もう一度やれといわれてもやれる自信はありません。集中するという事はそれだけ記憶に残るものが少ないのかもしれません。結果から「勝った!」ということは喜べますが、じゃあ同じように次も、というわけにはいかないのが人間なんでしょうね。そこを勝ち続ける人たちの各々の自己との深い対面には頭が下がります。 |
永遠の0
11日から近畿高校選抜強化合宿が本校で行われました。私は食事や宿泊の手配やらで大忙しです。お金を扱うのは本当に気を使いますね。いつになっても慣れません。ナショナルの選考会に参加していた5名は続けての合宿です。年明けから10日続けての合宿に体の方も悲鳴を上げているようでした。その中でどうするか。「勝て」とは言いません。しかし、怪我や出来ない事がある事をふまえての戦い方もあると思います。桜井章一氏は怪我で足が動かない時のボーリング大会で「足が動かないか...楽しいな...」という考え方で今何が出来るかを試しています。バドミントンではうまく出来ないとき、もしくは上手くさせてもらえない時があります。そういう時に戦い方を考える、工夫する余裕が自分の心にあるかどうかは、こういう機会にどれだけ試せたかが自信につながります。
さて、合宿翌日は休暇をもらい映画を見に行きました。本で読んでいましたが今話題の「永遠の0」です。やはりいい映画でした(一部台詞の内容がありますのでこれから見る方には申し訳ありません)。「風立ちぬ」は零戦の開発者の話でしたが、今度はその操縦士の物語。宮部教官は誰に対しても謙虚に敬語を使い、その上、陰での努力を惜しまない。そういう姿に心打たれました。そして、最後の方の台詞。 「生き残ったのは死んだ者の死を無駄にしない事だ。そして、物語を続ける事だ」 スポーツは死とは直結しませんが、それに例えていうと 「勝ったのは負けた者がいるという事を忘れない事だ。そして、日々鍛錬を続ける事だ」 という事でしょうか。いい映画でした。 |