リズム
前回の林成之先生による講演から次の話です。
北島康介選手のコーチである平井氏が林先生に「彗星のごとく力を発揮するにはどうすればいいですか?」と質問されました。そこで、林先生は活躍した人たちの映像を種目関係なく流していると(岩崎恭子さん、カールルイスさんなど)リズムが大切であることを発見されました。 スポーツにおいては考えないとダメですが、考え過ぎてもダメです。うまく体は動いてくれません。ではどうすればいいのか。 考えると大脳の「海馬回」は興奮します。しかし、興奮したままだと死んでしまいます。海馬回の横には興奮を抑制する細胞がついています。この2つで興奮ー抑制ー興奮ー抑制を繰り返しています。その海馬回のリズムが、1秒間に4から8サイクルのリズムなのです。これを「シータリズム」といいます。このリズムになっているのが「モーツアルト」のリズムらしいのです。陸上のボルト選手もこのリズムになっていたということです。 林先生は「勝負脳」の本ではこのことを書きませんでした。なぜなら外国人に真似されるかもしれないと思ったからと言っておられます。それほど重要なことが含まれているのでしょう。 バドミントンでどう応用すればいいかわかりませんが、このリズムに入ると一気に気持ちが高まり、次にこれが運動系とつながり心技体が発揮できるようになります。 上位選手ほどバドミントンのラリーテンポは、相手に影響されながらも、要所要所で自分で作っているように感じます。早く触るだけでなく、間合いを取りながら相手の足を止める(リズムを奪う)やり取りを繰り返しています。自分のリズムを押し付けるか、相手のリズムを奪うか、リズムを崩されても作り直すか。 この辺りにヒントがあるのかもしれません。 |
気持ちをひとつに
林成之先生(脳神経外科医)による講演会がバドミントン指導者連盟主催により行われました。私は参加できませんでしたが「Badminton Journal」にまとめられていたので少しまとめてお伝えしたいと思います。
皆さんもダブルスにおけるパートナーとの関係について、うまくいったりぎくしゃくしたりといろいろな経験をされていると思います。しかし、気持ちがバラバラのままプレーしても、やはりかみ合うことなくいろいろなところで不具合が出てきます。林先生はそこで「神経の同時発火」という名前でもって気持ちをひとつにする大切さを述べられました。キーは前頭葉にあるのですがそこからの情報が一気に脳全体に広がり、さらには相手に伝わるというものです。語らずとも伝わるのです。 気持ちをひとつにする方法としては4つ。 1.相手を好きになる。 2.共通の目標を持つ 3.相手の脳に入る 4.相手を尊敬する 1と2はわかりやすいと思います。では、3番目はどうするのか。例えば子供がおもちゃを買ってとだだをこねている時に、「ダメ」とか「それは違う」などという否定後を使わないこと。「そうそう、私も買ってあげようと思ったんだよ。でも、今はお金がないんだ。」というように子供の言葉を使うことで脳に入ることができます。 4は「尊敬できるところがない」といってはねのけてしまっては元も子もありません。なぜ尊敬しなければならないかというと、そうしないと「勝てない」からです。尊敬する部分が見つからないときはとにかく理由もなしに尊敬してしまうというような自我を突き抜けた自らの姿勢が必要になってくるかもしれません。相手がどうではなく、やはり自らの未熟さ乗り越える以外にはないのかもしれません。 JOCのセミナーで林先生は「相手(監督やコーチも含む)を好きにならないと、皆さん北京オリンピックで力を発揮できないんです。どんなに嫌いだと思っても神様が皆さんに力を発揮させるために使わせたコーチだと思ってください。」と語ったそうです。 本当に強いペアはやはりお互いを尊敬し合っています。本当に強いチームは選手と監督、コーチがお互い尊敬し合っています。そこが大切なのだと思います。 |
立ち位置を変える
大阪のインターハイ予選が終わりました。4月末から始まり2ヶ月弱庭たる長い予選です。この間に1、2年生が急成長し、3年生を脅かす存在になることもあります。
今回はシングルス、ダブルスともに2位代表に1年生が食い込みました。下級生は勢いがあっていいのですが、2年後には誰にも臆することなくのびのびとプレーしていて欲しいと思います。 「靴の踵を揃える」を体育館入り口の靴箱で実施しています。靴の踵を踏んでしまう人やなかなか揃えられない人もいますが、それを揃えてまわるのが私の役割です。最近、それも私自身のためだとようやく受け入れることが出来たと感じます。 損得ではないと思います。立ち位置を変えてみると、「幸せ」とは他人のために気を配った時に初めて実現します。「俺が俺が」ではいつまでも曇った世界を彷徨います。 木曜日には学校の校外学習ですが犬鳴山へ座禅修行に行く機会がありました。そこでミャンマーで修行中の僧侶から直接座禅指導を受けることが出来ました。 真剣に取り組み、1時間の座禅を体験しました。 あっという間でした。腰骨の立っていない自分もいくらか発見しました。少し寝そうになっているときもありましたが、厳しいだけの座禅ではなく心を整える座禅を続けなければと思いました。 この週末は国体の予選が行われます。毎週毎週試合漬けですが、日々精進していって欲しいと思います。 |
線でとらえる
ロンドンオリンピック出場が決まった川前君が学校へ来てくれました。
基礎打ちの様子ですが、球さわりがやはり安定しています。 打ち出したいコースに対して押し出すようにストロークしています。シャトルを点でとらえるのではなく線でとらえているためエラーが少ないのも分かります。 「押し出す」ためには何が必要なのか、まず真似をしてみて感覚をつかむことが大切ですね。 球さわりの動画 |
勝つイメージトレーニング
インターハイ予選がはじまりました。シングルスでは3年生が優勝し1位代表を決めました。1年生の猛追を退けての勝利に、本人も一安心のようです。しかし本戦は8月。更なる目標に向かってイメージトレーニンングするように話しました。
「思考は現実化する」といわれますが、プラス方向にもマイナス方向にも働きます。それならばプラス方向に事を運びたいのが本音でしょう。 「優勝するイメージ」 朝の風景から試合までをイメージ→優勝した瞬間をイメージ→一番伝えたい人への感謝の言葉をイメージ この流れを目をつぶり静かなところで行いましょう。感性豊かな人は感謝するシーンで涙がこぼれるかもしれません。このように情動へつなげることでより強力にイメージが鮮明になってきます。 ただし、イメージだけではうまくいきません。やはり継続した練習が大切です。質も大事かもしれませんが練習を継続していく中で常にフィードバックを行い、創意工夫していくことが大切だと思います。 同じ内容でも(外から見れば)より実戦に近づけることができますし、身体を意識する部分を強めるのは本人しかできません。内的動機付けをいかに強めることができるかが今後の課題となるでしょう。 |