逆手でバランス
週末は近畿総合バドミントン選手権大会一般の部がありました。実業団や大学生にの中に混じっての試合です。生徒達はダブルス、シングルスで3位に入賞するといういい結果を残してくれました。シングルスでは7試合という超過酷な中、よく最後まで集中力を切らさなかったと感心しています。アドバイスの中で強調したのは「結果を目標にしないように。今できる課題克服に挑戦すること。」です。結果に意識を向けたとしても、相手次第では上手く乗り切ることができません(相手が負けてくれれば別ですが)。課題、例えば「ネット前の球に対して、プッシュかヘアピンかを読ませない体勢で入る」などを意識させると、もしかしてミスしたら・・・ということは意識から無くなります。今できる課題に対して挑戦することが集中力の継続につながったのかもしれません。
和歌山県の選手でしたが、シングルスで片方が義手の方が出場されていました。ラケットを持つ手にシャトルを持ち、放り投げてからサービスをされていました。やはり、バランスがとりにくいのか、できるだけ体を床に対して垂直に構え、脊柱の軸回転をさせるように揺すりながら移動されていました。ラケットを持たない手が如何にバランスを保つために貢献しているかが本当に良くわかりました。良い勉強をさせていただきました。 |
やっぱり座禅?
「スポーツを楽しむ―フロー理論からのアプローチ」チクセントミハイ/ルイス(著)を読み終えました。図書館で借りるというのはある意味期限があるので、読む時間を作り、ぐいぐいと進めなければ読破できません。夜のお酒も控えめにしなければなりません(笑)。いろいろなスポーツの本を読んでいて気づくことは、最終的に「思考をコントロールする」ことにつながっていきます。必ず「座禅」の大切さが説かれています。持って生まれた才能の有る無しが影響するかもしれませんが、この思考をコントロールする・・・思考を客観的に眺めるのはトレーニングが必要であるとどの本にも書かれています。
足を組まなくとも椅子に座り、腰骨を立てて、呼吸に集中する・・・最初は五秒と持たないかもしれません。しかし、トレーニングを積むと30分は維持できるようになってきます。 最近、私は足を組んで坐ることは毎日していませんが(足首に負担がかかり練習に影響が出たので)、ランニングやトレーニング中に呼吸や数を数えるように意識しています。今の動作を行うにあたり、他のことを考えていないかどうかを常にチェックするように心がけています。食事中なども大切で、できる限り食事に集中し、味わうようにしています。不思議なもので呼吸を吐き出している時しか味ってしないものなのですね。私だけでしょうか・・・。流し込むのではなくのどを通っているときも意識をします。このあたりの教科書としては「考えない練習」小池龍之介(著)がいいかもしれません。 |
「ゾーン」について考える2
9月に入り涼しくなったと思えば厳しい残暑が続きます。体育館では真夏のようなサウナの香りがします(笑)。学校では体育大会の練習などが入り、生徒達は少し疲れ気味ですが、なんとか積極的に乗り越えてほしいものです。
週末は社会人の試合がありました。ダブルスでの出場でしたが股関節の力の調節がうまくいったようで、ラリーテンポの変化に柔軟に重心の移動を対応させることができたように思えます。トレーニングに「足上げー上下」「足上げー左右」を取り入れており、効果が出たのかわかりませんが継続していきたいと思っています。 最近は「集中」に関する「ゾーン」に関心があり、関係の書籍を読んでいます。「弓と禅」はドイツ語を翻訳したもので少し難しい表現が多かったですが、まだまだ半分も理解できていないので繰り返し読みたいと思っています。「スポーツを楽しむ―フロー理論からのアプローチ」チクセントミハイ/ルイス(著)は廃盤になっており古本でもかなりの値段がついていました。しかし、図書館で借りることができたので早速取りかかっています。「意識すればするほど本来の能力が発揮されなくなる」という一見矛盾した考え方がこの「ゾーン」への鍵を握ります。選手達の体験談を多く載せているのでいろいろな参考になると思います。しかし、ゾーンはスポーツだけに限らないということなので興味津々です。 |
「ゾーン」について考える
インターハイから国体予選と夏を駆け抜けました。白石豊先生の「本番に強くなる」をもう一度読み返し、その中の「ゾーン」についての書籍を取り寄せました。
「最高の自分を生きる〜達人達に学ぶ「ZONEに入る」生き方」:丸山敏秋著 致知出版社 ゾーンとは・・・「精神的にも肉体的にもまるで自動操縦されているように感じながら、最高のプレーができる状態」をいいます。 私もかつて、入っていたのかもしれない状態を体験したことがあります。返ってくる球に対してかなり無防備(手がだら〜っと下がっている状態)になっていながらも、目の前のシャトルを相手のある部分に打ち込めるイメージが浮かんでいて、次の瞬間にはラケットヘッドが回っている、ショットは正確に打てることが当たり前に感じ、打ち終わった後はもう次の返球に対して狙っている、ことがありました。体は熱く、心はとても穏やかでした。 その後も「構えない」「構え」で「できる」という感覚があり、ただ成り行きを見つめる自分が他にいたようにも感じました。 「自我から離れ自由自在となる」とよく言われます。「○○がしたい」「○○でなければだめだ」という自己への固執はそういう「ゾーン」には入れないようです。 「私」がするのではなく「それ」がする。「弓と禅」オイゲン・ヘリゲルによるとそのように表現されているようです。「結果の善し悪しからの快と不快から離れ、平常心で結果から超然としているように心がけなければならない。まるで別の人が行ったかのように喜ぶことが最も大切だ」と阿波研造師範は仰ったそうです。 DNA解明の世界的権威、筑波大学名誉教授の村上和雄博士によると、「ゾーン」に入る心構えとして、 ・感謝や感動の心が大きいこと ・出来事すべてプラス思考で考えること ・先を考えず、目の前のことに精一杯取り組むこと ・目標を高く持つこと ・与える精神で生きること と記されていました。さらに、そのプロセスは、 型を通した練習の繰り返し→試行錯誤を繰り返しながら練習を継続→人の脳を十分に発達させる→直感による開眼から「ゾーン」に参入 練習を継続する中で「習慣化」されることは最初はいいが、習慣に陥っては進歩は望めない。したがって習慣を壊す非日常を作り出すことが人の脳を発達させる鍵を握るそうです。 それについて丸山敏雄先生は「即行」を実践することが大切であると記されています。気づいたらすぐに実行。簡単そうで難しいこの実践。 生徒達には「挨拶」「返事」「履物の踵をそろえる」ことを「しつけ」として実践させる必要を感じました。 この本はぜひ一読されることをお薦めします。 |