トッププレーヤー
梅雨も明け、蝉の鳴き声が響く夏本番となってきました。先週末には合宿が行われ、多くの練習相手に参加していただきました。今回は他府県の高校生、大学生はもちろんですが、トナミ運輸、NTT東日本、東北マークス、和歌山県国体選手などの実業団選手が相手をしてくれました。
やはり中でもトマス杯優勝メンバーの佐々木さんと平田さんのプレーは目を見張るものがあり、色々と参考に出来ました。 平田さんのダブルスではサービスから前衛のやり取りで上げることがなく、緩急入れながら相手に上げさせるやり取りが本当に丁寧で、後衛の時にドライブ等で攻められてもラケットを立てながら押し出すイメージで押し返したり前へ沈めたりと、これはエラーするわけがないというラケットさばきでした。「点」で打つとコンパクトになるので相手にショットを読まれにくくなりますが、タイミングが少しでもずれるとコントロールミスが生じます。「点」で打つ時と「線」で打つ時を判断し使い分けることが大切だと思いました。川前・平田対下農・常山では川前さんの強烈アタックと平田さんの上手いやり取りにもなんとかついていっていました。 佐々木さんのシングルスはスマッシュに隙があると前で触ってクロスのハーフに沈めるという「そこで触るか!」というレシーブが印象に残りました。さらにフォア奥へ上げさせてからのストレートスマッシュはほぼライン際、同じフォームからのクロススマッシュはライン際でぐいっと沈む球。そこに上げるとほぼエースを取られました。修正しながら奥まで返球できている時はリターンできましたが、奥まで上げるロブというのがこれほどまでに重要であると感じたゲームはありませんでした。また、ラリー間のタオルを取ったり、パウダーを振ったりする所作が本当にリズムが一定で、次のラリーに向かう「ルーティン」に重要な意味を持たせている印象が強かったです。汗が多くなるとゲーム間でも着替え、短パンも着替えられていました。違和感を少しでも減らそう、プレーに集中できるように工夫しようという姿勢は大変参考になりました。 インターハイまであと10日ほどです。練習試合が重なりますがいい調整になればと思います。 |
文武両道
期末考査が終わり、しばしの休養も終わりです(笑)。今月末にはインターハイに出発です。インターハイの激励会では様々な種目が出席していて、大阪の代表校を知ってなかなか面白かったです。公立の進学校が代表校になっている種目もあり驚きました。アメリカではセカンドキャリアを見越しての教育が盛んです。トップアスリートを終えた後も次の職業で活躍できるように文武両道が当たり前になっています。プレーしてはいけない時期(オフシーズン)も設定されており、大学では成績が下がると出場権が剥奪されるなどのペナルティがあります。最近の日本のスポーツで勝てれば勉強は必要ないというような考え方はもはや危ないと思います。
両親が小学校の教員だったということもあり、学校では絶えず周りの目を気にしながら何でも頑張りました(担任の先生も親の友人だったりしたので)。また根っからの負けず嫌いでしたのでバドミントンが伸び出してからも「勉強はできない」と言われるのが嫌で勉強もそれなりにやっていました。中学校では友人に、高校では先輩に学力優秀な人がいたのも影響が大きかったのかもしれません。 中学生時に肘を壊し、「スポーツでご飯を食べる」という考え方は非常に危うい事だと思っていました。大学を選ぶ際もプレーが続けられなければどうしようもなかったのでスポーツ推薦ではなく一般受験して大学に入りました。高校、大学と推薦入試をすべて断っての受験でしたが今思うとそれで良かったのだと思っています。 最近の子供達を見ていると中には全く勉強に興味を示さない子もいます。バドミントンはレベルが上がっているのですが、プレーが終わった後はどうなるんだろうかと心配です。稼業を継げればいいですが、結局色々なところに頼み込んでその種目に関係するところで働かせてもらうのかと思うと、「本当にそれでいいのか?」と余計な心配をしてしまいます。 本当のところをいうと今の学校での勉強は人が作り出したこの世のシステムに上手く乗っかれるようにするための手段でしかありません。また、学校で教えていることはもしかすると「教員になるために」という勉強が多いのかもしれません(教員は職業として教員しかやってないことが多いので)。本当の勉強というものは誰も教えてくれず、自分で求めるしかないと思っています。しかし、目標を持ちにくいこの世の中では今来た「LINE」に返事することだけに一生懸命になってしまうのかもしれません。縁に気づけない心理状態ではこの世の中はとても生きにくいものです。 |
気づきのチャンス
先々週末は国体予選が行われました。中学生を交えた11名のシングルス予選ですがほぼ本校同士の対決になりました。ナショナルメンバーの2人は決勝まで残り体力的な問題もあり決勝は不戦勝で終わりました。翌日はダブルスが行われ、ナショナルの二人は優勝で終わりました。この2人に関しては順当といったところでしょうか。しかし、去年の国体メンバーであった一人がベスト8に終わったためメンバーに入ることは出来ません。厳しいですが仕方のないことです。それにしても2年生の成長ぶりが目に見えてきているので夏以降の新チームでの活躍も期待されます。部内での競争が多いため、強い弱いで序列のようなものが出来てしまうことは仕方のないことだとは思います。しかし、強いからといっていわゆる「天狗」のような態度を取ってしまう者もちらほら見えてくると残念な気分で一杯になります。
「ペラペラと自分の手柄を謳いたがる人間はすぐに沈む」 「勝負師伝説 哲也」から房州さんの一言。謙虚さを忘れての行動は周りからの応援もなくなります。応援されない人は勝ち続けないと信用されません。 練習を見ていても、最近の大阪総合バドミントン大会という大人が混じっての対戦で負け、何を学んだのかということが疑問に思える生徒もいます。エラーから目を背け、自分の居場所の確保のためだけに自己アピールする。そういう生徒も今までいましたが、結局卒業後もプレーも人間性も伸びずに姿が見えなくなっています(どこかで頑張っていることを期待していますが)。「引退」が決まるととたんに欲に汚染されて下手になる生徒、逆にそれを期に勉強で奮起している生徒、生徒の根本の価値観を変えることは到底出来るはずもなく、本人の「気づき」しかありません。 どこでその「気づきのチャンス」に気づくか...。もはやこれには運や縁が強く作用しているとしか思えないようなことも多々感じます。人は見たいものだけを見、聞きたいものだけを聞くためです。嫌なものからは離れようとするのが本能です。最近のCMで「バイ菌」を駆除するものなどを見ていると、如何に人が「汚い物」から離れよう離れようとしているのかがあからさまです。考えを広げれば「死」というものから離れよう離れようとしているようにしか思えません。人は必ず死ぬし、それが明日でないとは言い切れないのに。 自然から離れれば離れるほど人間は衰退していくでしょう。かといってゴミを散らかし放題にするというのは違います。ただ、過剰に過敏に「嫌な物」を切り離す思考は成長を妨げるということです。 バドミントンでも嫌な「エラー」や「負け」から目を背け、逃げれば上手くなるはずがありません。それに向き合うことは最初は辛いかもしれませんが、それに挑戦し克服しようと試みることは素晴らしい成果となって後々返ってくると思います(願います)。 映画「春を背負って」を観ましたが、中で 「自分の足で歩いた距離だけが、本物の宝になるんですね」 という台詞があります。短い人生、死への残された時間をどのくらい自分の足で歩けるか。まだ若干10代の若者がこのような話に聞く耳を持たないかもしれません。「これでは本当にやばい!」という「観念的な死」を経験しないと気づけないのかもしれません。その経験ももしかすると何か大きな力から「与えられるべきタイミングで与えられる」のかもしれないと考えると今自分がなすべきことは何だろうと考えざるを得ません。 |
大阪総合からの練習
先週末は大阪総合がありました。インターハイ予選に出場できなかった生徒たちも力試しに出場しました。緒戦で敗退している生徒もいましたが、その後、自己分析しながら色々な試合を観戦していたと思います。私も出場していましたが、コーチ席を転々としていました。しかし、短パン姿だったので「その格好ではちょっと・・・」と審判長から注意を受け退席となりました。長ズボンでないとダメだったんです..試合にふさわしい格好だと思ったのですが...インターハイは特例で短パンOKになると思いますが。
さて、ダブルスではレギュラー陣が駒を進めながらなんとか準決勝に残りました。私も同時に年代別試合に入っていたのでなかなか見れませんが、声を聞いていると頑張っている様子がうかがえました。「あ〜」という歓声のもと敗退でした。トリッキーパンダース相手にファイナル19−21ともう少しのところでした。私の方はなんとか優勝し、9月の日本スポーツマスターズに出場が決定しました。この大会で優勝しないと選ばれないので点数はさほど取られなかったですが終わるとほっと一息でした。 翌日はシングルス。社会人や大学生、実業団選手を破りながら生徒たちは駒を進めていきます。競り合いながらも勝っていく姿は本当に「成長したな〜」と感心するものでした。そして、なんと!ベスト4に生徒が4人残りました。準決勝からは本校の生徒同士の対戦でしたが時間は19時・・・。いつになるの?という不安のもと試合が始まりました。2つとも3年対2年の対戦でしたが、競り合いながら両方とも3年生が勝ち20時半から決勝。しかし、ファイナルで激戦。前年度優勝者が連覇を果たしましたが、なかなか長い一日でした。私の方も年代別混合ダブルスで優勝を果たし、2冠を達成できました。 その後、社会人の練習がありました。年代別で優勝できたものの、この練習では常にこてんぱんにやられます。スピードのある若い人が入っての試合では6−21と完敗。なす術無し。「あまり深く考えずに」と続けて試合をしていきました。先手を取られて上手くまわされるとついていけないところがあり、それはそれで仕方のないことかもしれません。数ゲーム後、同じような相手との対戦で、サービス周りで相手のタイミングにはまらないように少しだけ変えていくと予想以上にラリーを続けることができました。強い球を打っていないのにリード。最後まで逃げ切れました。 この違いは何だろうと考えていますが、頑張らずに「間」を感じることが大切なのではないか?と思っています。2度と同じようにはさせてくれないと思いますが、戦いの「拍子」をどこでつかむか、どこがきっかけになっているのか、その辺りの感覚にヒントがあるような気がします。 また、トレーニングを続けている年代別50代優勝の方から「スマッシュを速くするには筋力じゃない」と話を聞きました。私もそう思っているので「同感です」と答えながら「素振りはとても大切」と言われました。タイミングとフォームの改善が同時に行われる素振りはとても単純に見える練習方法ですが大切です。ですので、動きながらシャトルを打つだけでなく、その場所から素振りのようにシャトルを打ち込んでいく練習も単純そうで実はものすごいいい練習になります。感覚をつかんでいくための「好奇心」と上手くなりたい「気持ち」をベースに挑戦し続けていきたいと思います。 |