練習方法

基本ストロークシングルスダブルスミックスダブルス

なぜ練習するのか、何を練習するのか

まず、なぜ練習する必要があるのかを考え、それから何を練習するかを見つけなければなりません。色々な練習方法はありますが、まずは自分の長所を伸ばすことに注目することが大切です。上級者になればなるほど欠点の修正になっていきます。最初はいいショットで得点することができるでしょう。しかし、上級者になればなるほどショットは決まりません。そこでバドミントンは相手のエラーを誘うために、ショットに緩急をつけたり、騙したり、体近くの取りにくいところを狙ったりします。自分がエラーしにくく、しかも相手に攻め込まれにくい、相手のタイミングにはまらない絶妙なところを狙う技術が要求されます。

では、どうやって課題を抽出するか。サービスができるか、相手コートに返球できるかなどを試した上で、狭いコートでのミニゲームから実際のコート幅まで発展させていくといいと思います。小さいサークルから徐々にそのサークルを大きくしていく方法が小さな成功体験を積み重ね、モチベーションを下げにくくしてより大きな目標へと進んでいける方法だからです。これをゾロサークルと言います。

その過程では、自由な選択が出来る雰囲気が大切で、自らの気づきが大きな武器になるかということを自分自身や指導者も頭に置いておかなければなりません。コート内で起こっている事実をしっかりと受け入れ、もしくは、それを周りから見てあげて伝える事で本人が課題として気づいていきます。正しいフォームや動きに関する知識を得て、それをアドバイスすることはとても大切ですが、悪いところだけを直すような練習よりも、まずは良いところを徹底的に練習する方が、結局悪いところの修正にもつながります。

目標の設定

やりたいことが見えてきたら、とにかくいろいろな方法で試すことが大切です。そこに「だめだ」「できない」などの結果からさらに進んで、「これではどうだ」「さらにこれでは」と試し続けてください。

「明日は今日と違う自分になる」

という考え方が非常に大切で、常に変化を求める好奇心が大切です。1度や2度の失敗は当然あります。様々なアプローチを試すことで今まで見えてこなかった感覚を感じることも多く起こります。「常に試す」「継続」しか成功の道はありません。

年齢を考慮

もちろん発達段階ごとに計画されなければなりません。以下の3つの段階に分けてみます。

8,9~14,15歳

ゴールデンエイジと呼ばれる期間を含むこの時期は、身体能力の全面的発達に焦点を置きます。バドミントンのみでなく様々な運動(他種目など)の体験によって、身体がそれに適応することで全面的に発達します。
また、バドミントン特有の技術的な練習に重点を置き、乳酸が蓄積しないような有酸素運動や最大の40~60%での筋力トレーニングが大切です。この時期に高強度のトレーニングは避ける方が賢明です。

14,15~17,18歳

この時期は、バドミントンに必要な専門的体力の土台を作ります。かなり高い負荷をかけての練習も可能ですが、技術、戦術、身体的基礎トレーニングが最も重要であることにはかわりません。筋力トレーニングは最大の70~75%くらいで行うことも出来ます。

17,18歳~

バドミントンのあらゆるパフォーマンス(体力、技術、戦術、心理学的、理論的側面)を最大に高める時期です。前述のように体力、技術をいくら鍛えても、それを使いこなす精神力(脳力)と技術を高める理論が伴わないと結果はついてきません。ですから、この時期のために学校の学習等で、「勉強の方法」を学んで おかなければなりません。

トップ・コンディション

トップ・コンディションの状態で試合に臨み、自己のベストを尽くして成績を上げていくために、様々なトレーニング(筋力トレーニングだけではありません)は欠かせません。選手の個人的特性、トレーニング水準、バドミントンの特徴と関連しつつ以下の3つの過程をたどります。

トップ・コンディションの形成・発達段階

機能的な可能性を全体的に高め、一般的体力を発達させ、多面的な運動技能を形成していく時期です。そしてその土台がバドミントンに直接必要なものとして統合されていきます。

トップ・コンディションの維持段階

競技成績を向上させる要素が安定して発達を続ける時期です。

トップ・コンディションの一時的消失段階

コンディションを支える要素の統合が失われ消失していく時期です。安定した維持段階ではより高いレベルでプレーするには不十分なものとなります。より高度 なものを身に付けるためにはこの時期は重要で、負荷-休養-回復のリズムの中で起こるオーバートレーニングを避けるための積極的休養を取るいい時期となります。

一日のメニュー例

1. ウォーミングアップ

シャトルを打つまでの準備でその日の成果が決まるといっても過言ではありません。最も重要な時間だと思います。自分の方法を見つけ、それを日々ルーティングすることが大切です。ストレッチ運動をすることも大切ですが、「丹田呼吸法」や「ゆる体操」などで各関節を緩めることも大切です。時間の許す限り長く行います。

2. 軽くトレーニング

腹筋や背筋、プッシュアップ、スクワットなど、筋肉を活性化させる目的で行います。

3. 素振り

しっかりと肩・肘・手関節がほぐれたことを確認してから、オーバーヘッドストローク、サイドストロークなどの素振りを行います。シャトルをイメージして振り終わった後にバランスを崩さないよう心掛けます。特に打ち終わった後の左足の着地(右利きの場合)と身体のバランスが大切です。股関節に上半身が乗っている感覚があるかを意識してみてください。

4. コートエクササイズ

シャトル投げ、シャトルを使ったフットワーク練習、基礎打ちなどゲームをイメージして行います。

5. ゲーム

30分などで区切ってもかまいません。課題の抽出を行うのが目的です。

6. 課題の確認

話し合いで課題を抽出し、今日の課題を設定、確認します。

7. 部分練習

課題を細かく分類し、動きの少ない練習からダイナミックな動きまで発展させていきます。ノック練習、パターン練習などで行います。ここで色々なアイデアを出し合って工夫できればより楽しんで練習を継続できます。ポイントを競ってもいいですね。

8. トレーニング

インターバルトレーニング筋力トレーニングなどを行います。基本的に器具等を使わなくても十分効果は得られます。しかし、「意識すること」無しには何をしても効果は半減してしまいます。

9. クーリングダウン

しっかりと行います。回復を早めるために行います。

10. 食事

バランスのとれた食事を心掛けます。トレーニングの後の食事はとても重要です。トレーニング効果にかなり差がついてしまいます。食後30分以内に摂取するのが効果的だといわれています。

11. 休養

休養することによって回復します。痛みを伴う場合は、安静にして休養を取りますが、それ以外の場合はアクティブに行動するなどの積極的休養がいいと思います。