ダブルス−ステップアップ練習

Written by ひろっしー & Edited by けいいちん

右奥からスマッシュを打ったときの返球パターンの考察

右奥からストレートサイドライン

①の位置にロブが上がってきたとき、前衛は●のところで3点をカバーする必要があります。
このときに前衛が注意することは、後衛がスマッシュを打つコースです。サイドラインぎりぎりに打ち込んだ場合はほとんどストレート(赤い四角の部分)に返ってきます(この打球がこの場合最強打になります)。

前衛はこの時にタイミングを感じることが大切です。
頭の中でインパクトを考え(後衛が打つときの)、そのタイミングによって動きを変えます。

・少し速いときは、ストレートに打っているからフォア側にやまをはります
・少し遅れたのを感じたらクロスに打っているので左の後ろにステップを開始しておきます(クロスに打つときは体がねじれるので羽をカットする場合を除いて打点が下がりタイミングが遅れます)。

頭の上をとおる羽を確認したら本格的に次の動きへとうつります。

右奥から体の正面

①からストレートに体の真正面に打つとそのまま①のところに返ってくる事が多いです。あまり打ちすぎると相手にスマッシュのタイミングを読まれてしまい、楽にレシーブされ、また、相手がレシーブに自信を持ってしまいます。

体を狙うときは高さ(胸もと、膝もと)を変えて打つことが大切です。

右奥からストレートバック側

①からストレートに相手の体に近いバック側に打つとクロスへのカウンターが返ってきやすいです。この球を打つときには注意が必要です。前衛がもっとも待ちにくい返球が返ってきて、この球に手を出すとミスしやすいからです(速いショットなので)。
また、羽が浮いているとラケットを立てて鋭くドライブで返球されるので絶対に浮かしてはなりません。

右奥からストレートフォア側

①からストレートに相手の体に近いフォア側に打つと(上級者はバックハンドで取る)

  1. 速くて角度のある場合はセンターに返ってきやすく、前衛のおいしい球になります
  2. 普通のスマッシュだと①の場所より少し左のの場所にロブが返ってきます。

しかし、角度がないとラケットを立てられて処理されるのでの位置に落とされて一気に形勢が逆転してしまうので注意が必要です。カット気味に打って角度をつけるのも有効ですね。(右肩あたりに行けば最も取りにくい場所なので使い方によっては有効です)

右奥から2人の間

このスマッシュはノータッチで決まることよくある有効打です。
ただ、前衛としては相手のどちらが取るのかわからないので読みにくいですが、真ん中のの部分に返ってくることが多いのでそこを待てばいいと思います。
<--補足-->

①の位置にロブをあげた場合、センターにスマッシュを打たれることが多いですが、レシーブ側は①を頂点とした2等辺3角形に守るのが基本です。
また、の人は①の方向に体の正面を向けなくてはいけません。そして、①からくるセンターへのスマッシュはの人が取る方がいいです。
なぜならの人にとっては逃げていく球ですが、の人にとっては向かってくる球になり、この球の方が取りやすいからです。

①から②へのバック側へのスマッシュは一番打ってはならない球です。この球の返球はほとんどの場合ストレートのドライブになって返ってきて、前衛も後衛も取れないカウンター球になってしまいます。
逆にレシーブ側はこの球を狙い、ドラ

イブとともに前に出て次の返球をネット際で処理する準備をとっておかなくてはいけません。
基本的に①からのクロススマッシュは難しく、クロス球は相手までの距離が長いので球速が落ちてしまい、相手にとっては楽な球になる場合が多いです。

右奥からクロスの体の正面
この場合の②のレシーブはほとんどストレートに返ってきます。その時のレシーブを前衛がカバーすると攻めの連続性が出てきます。特に左利きの人が前衛になっているときは有効ですね。
このローテーションをスムーズにするためには、①はスマッシュを浮かせてはいけません。なるべく角度をつけ膝もとに打つようにすることが大切です。

右奥からクロスサイドライン

この羽を打つとき、ストレートの返球は100%前衛に任せるようにします。前衛もそのつもりで前に出るのではなく、どちらかというとの矢印の方向へ移動して返球を待ちます。その時にの位置が空くので①が打つと同時に前のゾーンのカバーに回るようにします。

レシーバー側が2等辺3角形の陣をとってない場合は、スマッシュよりもに打つカットがよく決まります。

ダブルスは、攻めているときと守っているときの、フォーメーション(2人の位置関係)が違います。攻めているときは前後に並ぶトップ・アンド・バック型、 守っているときは、サイド・バイ・サイド型をとるのが基本です。しかし、以外と見落としがちなのが、攻めから守りに替わるときや、その逆などの中途半端な位置関係にあるときです。この位置関係の時、もっともミスが出やすくなります。ですから、今攻めたのか、守ったのかというようにショットに緩急をつけることで、二人の間の穴を小さくすることが出来ます。また、ダブルスもシングルスと同じように“辛抱”す る場合が出てきます。それは例えば、ドライブや、ネットを越えると下がっていくハーフショットなどで、攻め合いをしているとき、また、連続でスマッシュを 打たれているときなどです。こういうときは、突発的なショットよりも、堅実につないだり、守ったりする方が有効な場合が多いです。特にハーフまでしかこな い球を相手に攻めささないようにつなぐことは、かなりの技術がいります。これは、基礎うちなどをし ているとき、中途半端なショットが返ってきても、それを確実につなぐという練習をすると身につきやすいと思います。
最後に、サーブ、サービスプッシュ、サービスプッシュレシーブという最初の3本は、これでラリーの優勢、劣勢が決まると言っていいほど重要なショットになります。ですから、これらは何度も繰り返し練習して、相手に攻めささないようにする必要があります。
また、ショートサービスを沈めることができると、その後のショットに(気持ち的にも)かなり差がでてきます。ショートサービスはダブルスの要です。何度も 繰り返し練習して、いやなサーブを習得してみてください。ただしドライブサービスは最近、アバブザハンドというルールによってフォルトをとられる可能性が あります。くれぐれもフォルトで調子を崩さないように...。

前衛と後衛の位置関係

基本

前衛と後衛の距離はいつも同じにしておき、できるだけ近距離で、後衛がラケットを振ってあたらないギリギリの位置がいいです。また、前衛はレシーブの羽を 取ることは大変難しいので、出切るだけネットから離れることによって、相手からの距離をとり羽の滞空時間を長くしてやります。

①前衛と後衛の距離 →できるだけ短くとる

②相手と前衛の距離 →できるだけ長くとる

前衛は3点を守る必要がある

後衛に少し前目の球がくると前衛は少し横にずれてやる

前衛-2点を守る

後衛-2点を守る

<失敗例>

前衛が前にいすぎるとに穴ができてしまう

後衛に少し前目の球が来てるのに前衛が前にいすぎる、横にずれないとに穴ができてしまう

ローテーションの実例

ローテーションがうまくいく、いかないは前衛の動きで決まります。前衛は後衛の位置と体勢を正確に把握する必要があります。
前衛は相手からのロブが上がってきたとき、頭の上を通るまでに羽の落ちる位置と後衛の打つときの体勢をイメージします。それから自分がどう動けばいいかを判断します。

①がセンター付近にスマッシュを打って、高いロビングが返ってくる場合

①が打ってその位置よりも後ろ(×)に返ってくるときはかなり危険な状況です。この時には後衛の体勢がかなり悪くなってしまいます。
そういう場合の前衛は、の部分ほとんどをカバーする必要が出てきます。
(このとき前衛は少し横から斜め後ろに移動しています)

しかし、

前衛がそのままの位置にいると、の部分に穴ができてしまいます。
前衛は後衛に任せることが多いのでノータッチエースを取られる可能性があります。

①からスマッシュを打った時の返球はほぼ低い球になる事が多いので、この時に前衛が同じところにいるとローテーションがうまくいかずの部分に穴ができてしまいます。

後衛から打つ人は前に出る力を使って次の球をとることができるので、この羽を前衛が無理をしてとりに行ってはいけません。
前衛はすぐに後衛の穴になるところに向かいます。

ローテーションでの大切なことは

  1. 前衛が積極的に先に動く
  2. 上がってくる位置によって前衛はポジションをかえる(自分の頭上を通るまでに判断する)
  3. 前衛は後衛の前に出る力を生かしてあげる
  4. 後衛がつらい体勢になりそうなときは前衛がすべてフォローする

また、少し低めの羽を返したとき、胸元に高い羽がくるので少し前に出てラケットヘッドを立ててとるほうがいいですね。

いつもの角度

打点が低いと胸元の取りにくい位置にくる

さっきよりも前に出てとる

サービス編

プッシュとレシーブ

黄色の位置から右の奥に速いサーブプッシュを打つと、ほとんどがストレートに返ってきます。
レシーブ側としては、この球をクロスに返せるように練習することが大切です。しかし、サーブプッシュの羽だけを見てクロスに返すのは至難の業です。相手が 打つタイミングよりも先に読んで動き始めないと間に合いません。この先読みには、「ラケットの向き」「体の向き」「羽をとる位置」など、状況判断と相手の 癖を考える必要があります。また、サーバーのサービスは浮かないことに越したことはありません。

サーブプッシュ側はこれを逆に利用する手もあります。黄色の位置から角度はあるが、少しスピードを落としたプッシュを打ち、クロスへの返球を待ちます。
相手は速い球がくると思い構えています。そこに少し手前に落ちる、失速するようなプッシュを打つと、ラケットが回ってしまい自然とクロスに打ってしまいます。また、クロスに打ちたくなってしまうものです。

この位置でとるつもりで振っているのが

羽が遅いとラケットがクロス方向を向いてしまう

プッシュのコツ

ストレートのプッシュの握りから、ラケットを回すように指だけでねじるとラケット面が左を向きます。この方法だと振りはストレートなのに、面はクロスを向き、よく相手からノータッチエースを取ることができます。
この握り替えをする為には、ラケットと手のひらの間には、隙間がないといけません。ぎゅっと強く握ってしまっているとラケットを指だけで回すことはできません。

黄色のところからのサーブプッシュで、レシーブ相手のバック側に素直な(速くもなく遅くもなく)ストレートを打つと、ほとんどがの部分に返ってきます。
また、今度は速い球を同じところに打つと、レシーブが少し遅れるのでの部分に返ってきます。

サーブプッシュをする時に大切なことは、相手に自分の思っているところに返球させることです。それを信じて100%返球されるであろう場所を待っておくようにします。
少しでも違うところに(待っているところの手の届かない範囲)返ってきた時は手を出してはいけません。その球は後衛がフォローするようにします。

グリップの位置を変える

ダブルスで攻めと守りの時にはグリップの位置を変えるといいです。
後ろから攻めているときは遠心力を有効に使うために長く持つといいですが、ドライブ合戦になった時などは、ラケットを短く持ち、速い球に対応します。
また、レシーブのときも同じように短くもって小さく振ることが大切になりますね。

①から前衛を抜いたドライブを打つと②がとりに行きます。この時②が返球するベストの球は、ネットを越えてから浮かないような、しかも2人の間に落ちるショットです。
しかし、サイドに追いつくのに精一杯の時は、どうしても力いっぱい後ろに返そうとしてしまい、逆に飛ばなくなってしまうというパターンが非常に多いです。 このような状況をしっかりと作って練習し、あせらずに沈めることができるようになれば、守りに余裕が出てくるようになると思います。

①のような羽は、相手にとって一番打ちやすい球になります。下から上がってくる球は、上から打ち落としやすく、またコルクをしっかりと当てれるので、球の勢いも増します。

②のような球を、無理やり決めにいくと、ほとんどの場合後ろに出すか、ネットにかかってしまいます。追い込まれた時でも冷静に、こういうショットを打つことができれば、いつでも攻めに転じることができますね。

さらに、このように真上から落ちてくるシャトルにタイミングを合わせるとこは、非常に難しいです。なぜなら、ドライブ系ならシャトルの軌道上にラケットを持っていけば当たりますが、この場合はピンポイントでシャトルを捕らえなければならないからです。
また、羽の部分から触ることになるので、シャトルに充分勢いをつけることができません。
ここからも(シングルスなどの)ロングサービスや高いロビングがいい攻撃や防御になるという事がわかりますね。

前衛は読みながら動けないと次の羽に対応しきれない

ラウンドからストレートスマッシュを打った時

①からのストレートスマッシュは、ほとんどの場合ストレートのロブが返ってきます。前衛としてはストレートを待ちたいところですが、この場合、相手がフォ アハンドで構えていることもあるので、クロスのカウンターを後ろに下がりながらでもとれる体勢をつくっておきたいですね。

ローテーションで攻撃を持続

①からスマッシュを打ち、返球が浅くて前衛の届かない羽が返ってきた時は、後衛は前に出る力を利用して羽を打ちにいくとうまくいきます。
その時、前衛はとりに行ってはいけません。前衛は浅いが、取れない(攻めれない)と判断するとすぐに右の後ろへ移動します。この移動が速いほど後衛の動きがスムーズにいきます。

守り側の反撃

①からストレートにスマッシュを打ちます。②のレシーブはそこからストレートでネットより沈み、なおかつ前衛を抜いて、①の前に落とすことができれば、②はネット際に詰めて次の羽を攻撃する準備をします。ほとんどの場合、に返ってくるので、相手の前衛の横を羽根が通過する時にステップを開始し、①が打つ時には、ネット際まで詰め攻撃します。その時パートナーは②のフォローに入るようにするといいです。

ラウンドからセンターへのスマッシュ

①からのクロススマッシュは、②にとらせるか、③にとらせるかで返球が違ってきます。
②にとらせた場合は、攻め側のチャンス球になるか、ノータッチで決まるかという効果的な球になります。返ってきても真ん中にくることが多く、前衛がさわりやすくなります。
③にとらせる場合でも、角度のつけ方によって返球が違ってきます。
角度がない場合、③はラケットを立てて上から切り替えしてきます。そうなると前衛はまずとれない球が返ってきます。
角度をつけると、③は下で取らざるを得なく、しかも一瞬②とお見合いする為、ストレート、もしくは振り遅れの右サイドに返ってくる事が多くなります。このとき、前衛は相手がどこで取るかを早く見極め、下でとったならの場所を待つようにします。

 
先読み?戦略?

上級者と打っているとこちらの羽が全部読まれているように感じる人は多いですね。その通りなのですが、実はすべて打ち方や体勢を見て判断しているのではありません。その1~2球前の球回しにより、次の羽を打たせていることが多いのです。

・速い羽を打つとストレートに返ってくる
・ゆるい羽を打つとクロスに返ってくる
・低いロブを上げると高いスマッシュなどで返ってくる
・体の真ん中に打つとストレートに返ってくる
・高く、後ろまでロブを上げるとカットがくる

など、その状況によっては異なりますが、だいたいは上記のような羽が返ってきます。
次の球を打たされているので、読まれていると感じるのは当然です。しかし、フレームショットなど、全く予期しない羽がくると一歩も動けない場合もありますね。

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