ラリーポイント制が導入されて2006年が終わろうとしています。色々な大会でいろいろな試合展開が変わったと思います。私自身も大会等で経験してきましたので感想を述べたいと思います。
1.集中力を持続させる
まず、サービス権が無くともリターンで点数を取ることが出来るので、1本1本にかける集中力の持続が最も大切だと実感しています。ミスで悔やんだり、相手 のミスに喜んだりしたとしても、次の瞬間には「今」に集中しないと、ラリーの予測が遅れたり、意図しないプレーがでたりと実力が発揮できなくなります。
2.ラリー間を大切に
もちろん点数が動くのはラリー終了直後ですが、「今」に集中するために、ラリー間の時間を有効に使わなければいけないと考えます。その時間中に上手いって てもいかなくても、ラリーに入る前の準備をいつもどおりにやることが大切です。バッターが打席に入る時に「いつも行う動作」のようなものですね。そうする ことでラリーで集中したことによるストレスから回復することが出来、「いつものプレー」が発揮されます。
3.攻撃が有利
もちろん「攻撃は最大の防御なり」という言葉があるように攻撃は大切です。しかしバドミントンではサーバー側が不利なので、レシーバー側が勝つことが多 く、今までは得点チャンス(サービス権)をつぶすことが容易でした。したがってゲーム中盤までは守りでまわしながら様子をみて、そこから一気に攻めるとい う作戦も通用しました。しかし、この制度では実力に大きな差がない場合、まわしていたりすると得点はほぼ競り合う形になります。4~5本得点が動いた後 は、そこから1本1本確実に攻撃チャンスを作り、得点を重ねることが大切です。15点を超えるとドライブなどで強引でも「押す」ことが大切です。
4.サービスの重要度
特にダブルスではサービスの重要度が高まりました。相手の攻撃をかわし、相手の待ちを外し、ミスがないことが「勝つ」条件とさえなってきていると感じま す。サービスは技術と精神力の結晶です。練習量によって得た技術を、精神力で発揮するという訓練を常に行い、構えた時の形と感覚で、その直後に打ち出され る軌跡が確信できなければなりません。
5.試合時間の短縮
ラリーポイントなので、ラリーの回数に限りがあります。トーナメント試合で以前より疲労度が小さいと感じました。こうなると、瞬発的に力強くラリーをしていくことは必須条件になると思います。
6.点数差
「4~5点開くとほぼ勝敗は決まる」と耳にすることが多いです。もちろんそういう場合が多いということなのでしょうが、あくまでも結果からの統計(感 覚?)でしかありません。そのような言葉に惑わされていては肝心の実力が出なくなってしまいます。大きく勝ってても負けてても、そこで「油断」したり「焦 り」を感じても点数は変えてくれないのでどうしようもないのです。点数による作戦はあると思いますが、点数によって結果を意識するとあまりいい方向に結果 は転んでくれません。あくまでも「1本、1本」だと思います。