全国高校選抜に続く学校対抗優勝なるか!というプレッシャーと戦いながら夏休みに入っての特訓の成果が試されました。7月に入ると練習試合が重なり、合宿には川前君を始め、トナミ運輸の選手達も練習相手に駆けつけてくれました。トマス杯優勝メンバーのプレーはさすがに印象深く、何よりも手を伸ばせば届く球でも足をしっかりと運び、ショットを予測させないように打っていました。バドミントンは読み合いの勝負が多くあります。自分のショットを読ませない、または読ませて仕掛けるなどという駆け引きもあります。2週間ほどの超練習試合を乗り切り、数年前のインターハイで暑い印象の千葉県へ入っていきました。
千葉敬愛高校のご厚意に甘え、体育館で練習させていただきました。なんと!コートマットが敷いてあり、まさか練習会場でコートマットが体感できるとは夢にも思いませんでした。本当にありがとうございました。しかし.....少し暑かったです・・・。
大会会場に入りました。千葉県総合スポーツセンターが男子会場なのですが、冷房が入らない!何とかなるかなと思いながら会場にいると、円形の天井からの照明がとてつもなくまぶしく感じ、そのうち目眩いがしてくるようになりました。これは危ないと思い選手控え室へ避難。そこにはクーラーが設置されておりとても快適でした。こんなクーラーが体育館にあったらな〜とつくづく感じました。大阪の夏は・・・厳しいです。
さて、開会式も終わり試合開始。選抜大会の緒戦では常山がとてつもなく固くなってしまったという不安感を思い出しましたが、今回はそのようなことはなく緒戦は3−0で栃木県に勝ち、続く岡山県もシングルスで小倉が1ゲーム目を取られるという接戦となりましたがなんとか3−0で突破。準々決勝も強豪の南北海道。トップダブルスを入れ替えてきての対戦となりましたが、第2ダブルスがなんとかファイナルをものにし、2−0となりました。強い球の返球から前へ逃げるところを押し込まれるという危うい展開に持ち込まれましたが上手にしのげたと思います。トップシングルスは1ゲーム目は16と上々のスタートでしたが少しの油断から大詰めで逃げ切られて負けで2−1。常山のシングルスは選抜3位に入っていた塚本君との対戦でしたがうまくしのいで決め3−1で勝利しました。やや不安感漂う内容となってしまいましたが、ほっと一安心です準決勝は富山県です。何年か前はとにかくこことばかりの対戦でしのぎを削り合いました。今回もトップダブルスは問題ありませんでしたが、第2ダブルス、トップシングルスとギリギリのところで逃げ切りました。さて、決勝戦。福島県です。前回はギリギリのところをものにし3−0で勝ちましたが、今回もほぼ同じ対戦です。トップダブルスは下農・常山組と渡辺・三橋組。1ゲーム目は競り合いながらも落としてしまいますが、2ゲーム目はリズムを取り戻しファイナルへ。前回も凄まじいラリー展開に驚きの連続でしたが、今回は特にサービスからのネット前の落とし合いがとてもすごかったです。普通ならプッシュしたくなるところですが相手がプッシュしてくるのを待っているのもあり、飛びつきながらもネット前に落としていく姿はテンポが速く、
「そのショットをするためにそこまで体(足)を使うのか!」
という驚きでいっぱいでした。やはり、触れるからといってラケットを出していくだけの処理はもはやトップには通用しないと感じました。しかし、福島県ペアのレシーブはとても変化があり、こちらがなかなか前へ出ながらアタックできません。下がりながらのアタックになるのでどんどん相手が前で押してくるという展開でした。「このダブルスが勝てば」ということで後についていましたが、追いつかず負け。そのうちに第2ダブルスが会心のプレーで勝利!なんとか2人のシングルスにつなげることが出来るということで安心しましたが、トップシングルスの調子が上がらず0−2で負け。1−2で2人のシングルスが始まりました。下農は出だしが悪く半分で負けますが2ゲーム目はなんとかしのいでファイナルへ。常山の相手の渡辺君のシングルスは始めて見ましたが、1ゲーム目が始まると終止渡辺君ペース。「あれ?こんなに強いの?」という印象でした。常山が上手く回され翻弄され1ゲームを落とします。2ゲーム目も11点を先取されハーフタイム。「これはやばい・・」と内心思いました。アタックからの前への詰め方、レシーブの揺さぶり、トリッキーなショットなど精度が高く終始圧倒されています。しかし・・・連戦の疲労からか足の辺りに違和感を感じている様子が見えました。もしかして・・・足に来てる・・・。その様子に気づいたのか常山のしつこい猛攻が始まりました。そのうちに渡辺君は指まで痙攣が広がってきて大丈夫なのか心配になりましたがそれでも表情を変えず戦おうとする姿勢には少し感動しました。しかし、ファイナルにもつれ込んだ下農にはもはや精彩がなく1−2で負け。常山は途中で打ち切りとなり1−3の敗退となりました。残念でしたが、やはり福島県の選手達の日々の努力が実を結んだと思います。しかし、準優勝でも立派です。
個人戦ダブルス。前日の疲れと後悔があるものの開き直ってプレー再開できていたと思います。下農・常山はさほど問題なくベスト4へ。しかし、学校対抗ではすばらしいプレーを見せてくれた第2ダブルスは前回のインターハイと同様、力に押されると引いてしまい2回戦敗退でした。学校対抗では結果的にインターハイ3位までいったダブルスにも勝ってはいたのですが、なかなか個人戦では力が発揮できないところが非常に残念でした。このあたりはどうコーチングしたらよいのかなかなかわからないところで、思考の深いところが影響しているのかもしれません。難しいです。
個人戦シングルス、会場が分かれ、私は常山についていました。ヤマは福島県の渡辺君。学校対抗で痙攣がこなければほぼ負けていた状況だったのでこの戦いが全てでした。
1ゲーム目が始まると疲れているのか少し渡辺君の動きに精鋭が見られません。「これはいけるかも」と1ゲーム目を先取。2ゲームに入り序盤はよかったものの、中盤ではネットインをネットインで返すもののさらにネットインで返されるというラリーが数回見られ、後からのアタックから前でのプッシュで上手く決められ、後からのアタックとドロップショットの使い分けでエースを取られ、と完璧にやられながら取られてしまいました。見ていてもすごいラリーで
「これが高校生か?!」
の一言でした。ファイナルに入っても渡辺君の勢いは止まらず、6−15くらいまで引き離されます。ハーフタイムでは「相手のアタックに対して前への返球で安全策ばかりになっている。奥まで押し込むようなレシーブも見せないと相手の足は止まらない」と話していましたが、その瞬間に1本、相手のスマッシュを大きく後へリターン。相手が前へ走っていたところを逆に追い込む形に。私の中ではここがターニングポイントになったような気がしました。前へ出にくくされた相手へ、少しずつ攻めにくくさせながらじわじわと得点を重ねついに追いつき、競り合いながら21−19で勝利!!もはや決勝で勝ったような瞬間でした。後で対戦校 のコーチと、「信じられないラリーでしたね」とお互いの驚きを話しました。youtubeなどで動画が上がっていないのが非常に残念ですが、この試合本当にもう一度見たいです。
続く準々決勝はなんとか足を動かし最終日へ。試合終了後、下農の別会場へ移動しました。しかし、もはやファイナルゲームも半分を過ぎ、何となく足を引きずっている様子。あら〜またか〜とため息が出ましたが、その足でもなんとか頑張り19−20まで追いつきますが、残念ながら及ばず。ベスト8でした。しかし、大変疲れた一日でした。
翌日はダブルス準決勝とシングルス準決勝です。ダブルスは埼玉県との対戦でしたがなんとか上手くしのぎ決勝へ。シングルスも相手のミスを上手く誘いながら決勝へ。
さて、ダブルスは福島県ペアです。疲れもある中どういう展開になるだろうかと思いましたが、強い球を打った後を上手く返球され追い込まれるという展開が多く、なかなか得点が入りません。「打った後!打った後!」と声をかけながら、足の止まりつつある常山を上手く下農がカバーをして動きました。なんとかドゥースで逃げ切り1ゲームを先取。2ゲーム目は相手もリズムよく展開してくるのですが、フレームショットや当てるだけでネットに引っかかる、深追いしてエラーするなど今までにないエラーが見え始め、「あれ?なんだか固くなってる?」というように感じました。点数が離れそうで相手のエラーで追いつくような展開がずっと続き、少しずつのリードを保ちながら21−19で優勝が決まりました。なんだか信じられないような気分でしたが、相手も固くなることがあるんだな〜と思いました。
最後のシンングルス決勝。相手は福島県の古賀君です。もはや体がきつく、持たないかもしれない状況でしたが、1ゲーム目を落としながらも、2ゲーム目はなんとか逃げ切りファイナルへ。しかし、もはや限界かというような展開で4−14くらいまで引き離されました。しかし、ここから奇跡の粘りがまた出ました。14−15くらいまで追いつき、おおっ!!!と期待しましたが、とうとう足の痙攣が・・・「ヤバいです・・・」と一言。ファイナル最後でのここでもはや力つきていた模様でした。残念ながら14−21で準優勝に終わりました。終了後「すいません・・・」と言ってきましたが、「よくやった!」と声をかけました。最後まで諦めずチャンスを淡々と狙っている姿勢には本当に感動しました。夏はやはり過酷で、試合数は合計19試合になりました。それにしてもよくがんばりました。心からありがとうと言いたいです。
インターハイは選抜の全く逆で、ダブルス優勝と、学校対抗、シングルスが準優勝に終わりました。プレッシャーのかかる中、自己の目標をしっかりと見つめ頑張ったと思います。