2005年YONEX JAPAN OPEN 激観戦記

ひろっしー(有田浩史)

 

去年に続き今年もジャパンオープンを観戦してきました。お金と時間の節約から激安夜行バスで東京へ。なんと往復8100円という低料金でめっちゃお得と 思っていたが、バスは普通の観光バスで座席のスペースは激狭く、リクライニングシートもほとんど倒せない状態。これで7~8時間寝ないといけないかと思う とぞっとした。案の定ほとんど眠れず足・腰ともに激痛でボロボロになって代々木第二体育館に到着した。会場1時間30分前から列に並び、わくわくしながら 会場を待っていた。予定より30分早く会場になり一般席で一番前の席を確保した。準決勝6つのうち一つが棄権だったので、5つの試合を観戦した。去年にも 負けず劣らずの白熱した試合が多かった。しかし、今回の観戦は激安に始まり、激狭、激痛、激戦の「」観戦となった。

 

男子ダブルス

ラース パークス/ヨナス ラスムセン(DEN)vsチャンドラ/シギット(INA)

準決勝のうち一つが棄権だったので、一つしか行われなかった。今年のジャパンオープンはデンマークの台頭が目覚ましかった。去年までのデンマークに限ら ずヨーロッパの選手は、守りが中心でスマッシュリターンなども大きく高く返すプレースタイルが主流であったのが、今年は全く違うダブルスになっていた。一 口でいうと韓国のダブルスに似ていた。ほとんどのロビングは、クロスの低めに返球し、高低差の少ないスマッシュを誘う。その羽を腰を落とし、ラケットを立 ててドライブで切り返すという戦術だった。ドライブの攻防でもインドネシアに全く引けを取らず、インドネシアペアにシャトルをあげさせて攻めていく状況に うまくもちこんでいた。逆にインドネシアはなんとか準決勝は勝ったが、攻撃力のあるデンマークに決勝では完敗していた。インドネシアはドライブやネット前 に落とすのはうまいがロビングに工夫がない。大きくあげてスマッシュをリターンしてしまう。スマッシュリターンにかなりの自信があるようだが、7~8割は 変化のある戦術によって決められていた。今大会のダブルス決勝は進化するデンマークのダブルスと今まで通りのインドネシアの違いが明確に表れた結果である と思う。また、インドネシアペアは自信が過信になり、シャトルに対する集中力が欠けているシーンがよく見られた。「攻撃は最大の防御なり」の言葉通り攻め た方が有利であることは間違いないと感じた。

女子ダブルス

小椋・潮田(JAN)vs魏・趙(CHN)

準決勝は、日本人選手が残っているとこんなに違うのかと思うくらい会場は最高潮に盛り上がっていた。中国ペアに互角のラリーをしながら惜しくも敗れてしまったが実力は世界でも戦えるものがついてきていると思えた。
そこで小椋・潮田ペアが世界に勝つためには!

<小椋選手>
・サーブは世界と比べてもまったく劣らず、世界に匹敵すると感じた。しかし、サービスレシーブのプッシュをネット際に落とされた時の対処が遅く、いいサービスからのラリーを優勢に運べないことが多々あった。この辺りをもっとリズムよく攻撃できれば得点力があがる。

・試合ではスマッシュが速く、いいコースに決まっていた。しかし、相手の中国ペアもうまくリターンをして切り返してくる。リターンコースに潮田選手がいる 場合はうまくいっているが、逆サイドへの切り返しに対して潮田選手がフォローに行った時、小椋選手が前に出て連続攻撃を続けるのが遅い。打った後に前衛の ペアの動きを見ながら積極的に前に出てプッシュを決めるダッシュ力が必要。

<潮田選手>
・トップ選手に言うのも失礼であるが、バックハンドとサービスが中国ペアに比べてあまりよくない。特にバックハンドでサービスプッシュをリターンするとき にリストスタンドができておらず、肘が伸びきって腕を前に押し出してしまうような上肢の運動になり、スピードのない浮いたリターンになっていた。ラケット を立てた状態から肘の回内運動で常に打てるようにならなければいけない。またサービスもどんな状況であっても自信を持って打てるようになってほしい。
・スマッシュリターンが単調。ほとんどバックハンドでリターンし、ストレート方向へのロビングになっていた。中国ペアを見ているとフォアハンドでリターン する場面も多く、ネット際、サイドへのハーフ球、ドライブと多彩なリターンをしていた。潮田選手もフォアハンドでのリターンも取り入れて相手を揺さぶるよ うにできれば攻撃につながっていく。

 

終わりに

前回の観戦記でも書いたが、やはりジャッジミスが多い。ラインズマンの人選はどう行っているのか疑問であり、改善すべき点だと思う。しかし、良かった点も あった。現役の日本人選手や世界のトップ選手が津波の被害にあった世界の国々への募金活動を会場の人に行っていたことだ。募金活動をすることもいいことだ と思うが、選手と近くで会話できたり、握手できたりする機会はほとんどなく、会場はかなり盛り上がっていた。こういったファンサービスは観客にとってとて もうれしくまた見に行こうと思うようになるので是非いろいろな形で続けてほしいと思う。

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