近年のバドミントン技術レベルは格段に上がってきており、小学生でも高度な技術を使いこなす選手が目立ってきました。20年ほど前までは、フットワークス ピードやジャンプ力、スイング力を上げるために、過酷な筋力トレーニングを行っていました。競輪選手のような太腿を持っている選手も珍しくありませんでし た。しかし、日本を代表する佐藤選手や佐々木選手、田子選手などを見てみると体は引き締まっていますがそれほど太い筋肉は見られません。ふくらはぎは逆に 細く見えます。
人は地面に立っています。つまり、地面の力を利用できないと一歩踏み出すことでさえできなくなります。また、地面に立っていたとしても体のバランスが偏っ た状態では移動したい方向に行くまでに、多くの時間と筋力を使うことになってしまいます。
体のバランスを感知するのは耳に中にある三半規管ですが、実際にバランスを調整するのは筋肉の中にある筋紡錘です。これは筋張力のセンサーの役割を果たし ますが、筋肉が緊張した状態だと正常に機能しません。つまり、プレー中に余計な力が入っていたり(もちろん立つために最低限の筋力は使います)、精神的な 緊張が筋肉に影響していると、体が傾いていることをうまく修正することができなくなってしまうのです。そのような状態では技術をうまく使いこなすことがで きませんし、戦術も組み立てられません。
この写真は、シングルスの一部ですがラリー中の状態です。緊張することなく、だら~ゆら~と立っている感じがわかるでしょうか。
脱力できているので、次の瞬間にどこでも移動、ジャンプできるように準備された状態になっています。ここからの移動はスムーズなので、上半身も力を抜くこ とができます。そして、シャトルへのコンタクトも細かいところまで調整することができるので、正確でエラーの少ないショットが打てるわけですね。
1:右サイドへのショットに反応
2:速いショットなのでバランスを崩しながらもリターン
3:右足では止まれないので左足を進行方向へ
4:左足でストップ&キック
5:右足の股関節、頭の位置をうまく使い、上半身の重心を移動
6:重心位置の回復に成功
7:次の方向へダッシュ