「スラムダンク勝利学」辻秀一著
からスポーツにおける心の大切さを学ぶ模索の旅が始まり、はや十数年。環境の変化が後押ししたのか、ふとしたタイミングで辻先生のセミナーに参加することができました。初めてお会いする先生に感動しながらお話を聞きました。映画「パッチアダムス」に感動して応用スポーツ心理学を学ばれ、内科医からスポーツドクターへの転身されます。マイナスをゼロに戻すのではなく、ゼロをよりプラスへと導きたいという気持ちからだと聞いてさらに感動しました。
「結果」にとらわれる現代
何をしていても良い「結果」が出ないと「意味がない」と考えられてしまう超合理化を求められるこの現代社会で、将来はAIに多くの仕事を任されてしまうという現実を踏まえて私たちは生きてゆかねばなりません。やらなければならないことは確かにあり、それをどういい具合に完成させられるか、そこには心の作用がとても大切になってくると話されました。
何をするかに、「知識」「技術」「戦略」「思考」を総動員して行動していきますが、これらはいわゆる「認知脳」の作業。外界や経験、知識からの過去、未来へ意識が張り付き、意味づけ作業を行うことで不機嫌になることが多く起こっています。
雨 => うっとおしい
不機嫌になると疲れたり、イライラしたり、視野が狭くなったり、怒りっぽくなったりして作業効率が上がるはずがありません。結果が良くならないことが多く起こります。
人は言語を操ることでこの認知機能を強く発達させてきました。なぜならば動物の中でも弱い存在であるので身を守るためです。この本能ゆえあらゆるものに意味づけを行い、身を脅かすものから逃げようとする反応が起こっています。逃げられるものなら逃げればいいのですがそうできない時もあるのがこの社会。辻先生のお話はやらなければいけないことをより成功に導くためにライフスキル脳を使ってパフォーマンスをあげましょう!というものです。
ライフスキル脳
機嫌を司るこの脳を認知脳と同時に働かせてパフォーマンスをあげましょう。この脳の使い方は「意識」することです。まずは、ご機嫌の状態だと何が良くなるのか具合的に考えましょう。ワークショップでは30個ほど意見を出し合う作業をしました。
効率UP!疲れにくい!視野が広い!楽しい!アイデアが出る!人が集まる!話が伝わりやすい!運動機能UP!余裕が出る!
など自分であげてみてそのうち上位3つを自分の「ご機嫌の価値」としていつも意識するようにします。つまり不機嫌になるとそれらを得ることができないので「損」をしているということになります。人生二度無しなのでもはや取り返すことはできません。いち早く不機嫌に気づき、ご機嫌の価値を再確認しましょう。不機嫌に気づけるように
センサーを繊細に!客観的に心を感じる!一喜一憂しない!
が大切です。
行動と思考のルーティン
リラックスするために、例えば美味しいものを食べたり、映画を見たり、お風呂に入ったりと行動することは皆さんがやられていると思いますが、常にそれができる状況ではありません。コート上で風呂には入れませんから(笑)。そこで思考のルーティンを行い、それが自然にできるようになるまで繰り返すというトレーニングが必要になってきます。1日は86400秒。辻先生も常にご機嫌に転じる意識を繰り返され、1日に1万回くらい行っているという話も出ました(そのくらい頻度が多いということですね)。
思考のルーティントレーニング法
ご機嫌の価値を考える!
「今に生きる」とただ考える!➡︎プロセスに注目、結果に注目すると不機嫌に!
「一生懸命が楽しい」と考える!
「有難い」とただ考える!➡︎文句は大敵!
まずは自分から
このご機嫌な状態にいることを「フロー」(揺るがない、とらわれない状態)と辻先生は表現しています。人の悩みは100%人間関係だと言われていますが、「この人がいなければ」と考えているうちはどこに行っても(職場を変えても)同じことが繰り返されます。私自身もまさにそうでした。しかし本気で考えると自分しか変えられるものはありません。しかし、まず自分がフローに入る、これを維持するんだ!という断固たる決意を持つことが全ての始まりだと言われました。そうすることで自分の周りが変わっていきます。まだその辺りは実感がわきませんが続けていきます。そのために何をするか。
Respect ➡︎相手を尊敬する
Cheer ➡︎相手を応援する
Appreciate ➡︎相手に感謝する
私はこれを忘れないために「RCA」と唱えることにしました。
自分カンパニー
最後に辻先生から会社勤めの人にアドバイスがありました。
自分がフローに入って周りのフローな人を見つけてお話をしよう
(マイナス発言をして場を壊す人からは離れよう)
会社(上司)は自分の顧客だと思おう
自分は家から出勤している社長である!と考えよう(けいいちん考案)
面白いですね。勉強になります。
<参考文献>
「禅脳思考」:辻 秀一著