バドミントンを考えるコラム#22 嘘?のような話

1)ぶれない上半身を作る

 股関節の前を親指で押し込むようにして刺激を与えた後に、上半身を前に折り曲げます。その時には背中を丸めないようにします。上半身を戻した後に股関節を意識しながら若干低く姿勢を作ります。上半身が下半身に乗っている感覚があれば、少々上半身を押されても崩れにくく、しなやかさが出ます。
 
<効果>
 姿勢を低く保っても足などへの負担を軽減することができ、長いラリーになっても耐えられる可能性があります。股関節への意識が強くなるので前へ足を振り出す力も強くなり、細かいステップで距離を微調整できるようになります。また、待ちの逆を突かれた時、早くバランスを回復することができ、シャトルに追いつき易くなります。さらに目線のブレも少なくなり、シャトルがとらえやすくなり、ラケットの取り回しもスムーズになると考えられます。

2)息が上がるとき

 太もも前側の筋肉(大腿直筋)を使いすぎているかもしれません。この筋肉を使いすぎると息が上がりやすくなります。もっと大きい筋肉で体重を支えるべく、ハムストリングスを刺激します。「ここを使う」と念じながらさするといいと思います。

<効果>
 ハムストリングスが使えるようになると大殿筋も使えるようになり、大腿直筋より大きな筋力が発揮でき、強い衝撃にも耐えられるようになります。ハムストリングスを使うという意識になると足を前に大きく出す形を作りやすくなり、上半身はやや起きた形になってきます。そうなると相手に体を大きく見せることができて小手先のモーションがなくても、スピードと形で自然と相手を騙せるようになってきます。

3)握力

 握力は「鍛える」というよりも刺激するという感覚でいいと思います。重いラケットを振ったあとに普通のラケットを振ると、かなり軽く感じられるようになるのは皆さんも経験済みだと思います。重いラケットを振りながら、いかにスムーズに振り抜くかを工夫していくと全身の巧みさが身についてきます。その感覚をもとに普通のラケットを正確に振り抜くことができるようになると、タイミングが早かったり、遅かったりしたときでも、ラケットヘッドの調整が可能となるでしょう。最も大切なのは最大筋力よりも筋肉が反応するまでの時間をどれだけ短くできるかどうかという、神経伝達の部分です。
 また、握力でグリップを握りこむだけでもシャトルを押し出せるようになります。この感覚ができてくるとスマッシュやクリアでも握りこむだけで強く打てますし、レシーブでは少々スマッシュで押し込まれても押し返せるイメージができてきます。“できるかもしれない”、“できそう”というイメージは大切です。遅れても押し込めると思えると構えるときに力を抜くことができます。力が抜ければ姿勢がよくなり、視野が広がります。シャトルをとらえる視野の広さは、年々視力が弱まるとともにとても大切だなと感じます。

4)指先を意識する

 バドミントンのトッププレーヤーのラケットを持っていない手の指を見ていると、多くの選手が同じような形をしていることに気づきました。“まるで何かにそっと触れるかのような形”です。選手自身が指先の形を意識している人は少ないかもしれません。自然とそのような形になっていると思います。しかし、ある整体師さんのお話を聞くと、指先への意識はスポーツにとても大切だということでした。意識されると全身の動きがつながり、安定したバランスを保てるとのことでした。そこで教えてもらったのが、両手の指先だけをくっつけて、数秒こすり合わせて感覚を意識するというもの。単純な動作ですが私はゲームが始まる前にこそっとやっています。

5)心への声掛け

 試合ではいい結果が出てほしいと願うものです。相手の状態や流れが崩れない場合はいろいろと試しても負けてしまうこともあります。その過程で色々と試してみることが最も大切で、それが今後の試合に活かされてくると思っています。ですから、途中であきらめたり、油断したりするとせっかくの“試すチャンス”を逃してしまいますし、体験が薄いものとなってしまいます。。調子のいい時は、イメージがいいのでそのまま、決して終わりを考えないことが大切です。逆に厳しい状況の時はどうするか。私の場合は声に出すこともありますが、心の中で唱えることがあります。今回はそっと告白します。

「バドミントンで一番楽しかったこと、時を思い出そう!」
「余裕や!」
「完璧や!」
「チャンスや!」

いかがでしょう。根拠はありません(本当はありますが…)。でも好転することが多かったのです。嘘だと思って試してみてください。意外な効果があるかもしれませんよ!

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