教材、メールマガジンなどでいつもお世話になっています。
『競技またはスポーツとは思えない中学女子バド部を何とかしてほしい』
断り続けたものの結局、コーチを引き受け3年目に入ります。
私自身は優れたプレイヤーでもなく輝かしい実績とは無縁です。
ただバドミントンというスポーツは好きで続けている状態です。
部活の指導に携わるにあたり過去の経験を活かす・・・のは避け様々な指導、練習方法を探し勉強しているうちに有田さんの教材に行きつきました。
ジュニアチームなど無く、スポーツには無関心な学校、地域ですが、おかげさまで今では『○○中学は強くなった』との評判をいただき練習試合の申し込みも増えています(以前はまったくありませんでした)
市の大会など初戦敗退が当たり前だったのが今ではベスト16~8まではいけるようになりました。
しかし、限界を感じています。
闘争心が無いといったらよいのでしょうか・・・
生き物に例えると草食動物(^_^;)
隙あらば・・・肉食系動物のようになってほしいのですが(T_T)
精神的に弱く実力を出せないまま格下に簡単に負ける場面が多いのです。
試合会場でも大きく左右されてしまいます。
この地域の子供たちと触れ合うようになり最初に気づいた事でもあり大きな問題。
今の私には永遠の課題のように思えます。
このままでは先に進む事はできないと思います。
様々の方法を試みてはいますが成果はあらわれません。
「精神的に強くする」
何か良い方法はないものでしょうか。
(久松司さん)
A.バドミントンの点の取り方を観察してみるとそれは場面で得点が動きます。サイドに打つ、ボディに打つ、相手を走らせる、高いロブを打たせる、強い球を打つ、ネットギリギリに打つ、相手を騙す、タイミングを外す、サービスに変化をつける......などなど。さらに相手や自分の気持ちや体の状態にも左右されますので戦術も色々と変化させていくことも必要な場合があります。
普段の練習でゲーム形式練習をする時に、こういう展開ではどうすれば得点できるだろうかと常に考えながら相手とのやり取りを観察できる心が大切です。そういう選手が自由な発想で試みる事が出来る時間を作ってあげてください(基礎の反復練習はそういう動機づけが出来た後では効果が更に上がります)。公式戦などでは試みて失敗につながったとしてもそれを後悔する時間はありません。逆にその試みをなぜ選択したのか、そのショットはイメージ通りだったのか、軌道がずれたのはなぜなのか、ラリーとラリーの間はそういう所に意識を集中させ、納得できればいいですし、納得できなければ深追いしないようにしなければなりません。私はコートサイドでエラーをした後の選手の態度には特に関心を持って観察していました。その辺りが上へ行く選手とそうでない選手には大きな差があります。自分の態度をマイナス方向に傾けないこと(周りから見て見苦しい、非常に後悔している様子をアピールする、責任転嫁するなど)はとても大切であると思います。
指導者の立場として、選手がエラーをするとがっかりする事も多いかと思いますが、選手がなぜそのショットの選択をしたのか、ショットはイメージ通りにいったのか、という所を普段の練習時に聞いてあげ、それを選手が説明できる関係を作ることが大切です。「とりあえず」「逃げ」の場合はちゃんと説明できるように「〜ではなかったのか?」と指導者の見解を伝えても良いですが、時間がかかっても本人が気づくまで待ち、気づけるように状況練習(パターン練習)を工夫するのも指導者の一つの醍醐味だと思います。
精神的に強くするには指導者も態度で示さなければなりません。バドミントンのうまい下手ではなく、どれだけ誠実に情熱を傾けられるかが選手の自立につながります。練習での色々な試みをどれだけ楽しめるか、どうすれば楽しめるかを常に考えて練習を組み立ててあげて下さい。試合中に指導者も含め笑顔が出るチームは強いですね。