今回は「睡眠」に続いて「呼吸法」。
現代の大量に流れてくる情報の波に負けないよう、仕事の作業も効率的に正確さを求められ、何かと「早く正確に」がもてはやされています。そんな中で優先順位をつけながら、やることとやらないことを整理し、作業をこなしていくには本当に大きなストレスがかかります。職場などが変わるとなおさらそれを痛感します。この(教員の)世界も失敗できない風潮がとても強く、チームプレーのようで単独プレーなところがたくさんあります。責任の所在は曖昧で、結局個人に委ねられているところが大きく、何のためにやっているのかわからない仕事も次から次へと出てきます。そんなことを考えながら私の中で決めた優先順位は「生徒のためにならないことはしない」です。そこに基準を置き、できるだけ疑問を呈する作業は断るようにしました。それらの多くは「建前」や「言い訳」、「保身」が陰に潜んでいることが多かったからです。そして意外と作業を断ることが通用するのでした。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなストレス社会を乗り越えるためにも自律神経を調整し、姿勢を正しく保つためにはやはり呼吸が大切になります。ストレスが強くかかると呼吸が浅くなり、身体中に十分な酸素が行き渡らなくなるためです。多くの著書が出ている中で私がピックアップしたのは、
静坐のすすめ 佐藤 幸治, 佐保田 鶴治(著)より
「岡田式静坐法」「二木式腹式呼吸法」
万病を癒す丹田呼吸法 村木 弘昌 (著)
大健康力―60兆個の細胞が、いっせいに息を吹き返した! 塩谷 信男 (著)
スタンフォード式 疲れない体 山田知生 (著)
の4冊です。最後の著書の「IAP呼吸法」が今の時代に最も合っているかと思われるので、それをベースにアレンジしてみました。基本的には下の図を参照してください。
そして、細かいところを付け加えていきます。
ボディバランスを整える腹圧呼吸法
①準備
正心(まず大前提としてイメージする)
- 物事をすべて前向きに考え、
- 感謝を忘れずに、
- 愚痴をこぼさない。
姿勢
- お尻はできるだけ後方に突き出す
- 上半身は少し前に出して、胸、肩の力を抜く
- 膝頭は少し開ける(男性こぶし2個分、女性こぶし1個分)
- 首は襟を後ろに押すように顎を引き、頭のてっぺんで天井を突き上げる気持ちで首をまっすぐに構える
- 口と目は力まずに閉じて2m先を見てから閉じる
- 手は図のように裏向けて鼠蹊部に当てる。お腹を出すことに慣れてくれば「鈴の印」(ウェブ参照)で組む。
…利き手を上に両手のひらでボールを優しく包むように組む。両手の甲が垂直になり親指を除いた4本の指は揃えるようにする。
②吸息
- 鼻から息を吸い込み下腹部を膨らませる(5秒間)。膨らみにくい時はまず胸一杯、肺底まで吸い込み息を下腹部に押し込むようにする。その時に肩が上がらないようにする。
- 想念…心で念じる
『丹田に宇宙の無限の力が収められ、全身に満ちて健康になった』
③充息…息を止める
- 丹田に力を込め、数秒から10秒こらえる。酸素を体内に取り込む
- 想念
『全身の細胞が若返った』
④吐息
- 5秒かけて吸った空気を5〜7秒かけてゆっくりと鼻から出す。
- ※息を出す時に腹圧を緩めないこと。膨らんだお腹が指をおしかえす間隔をできるだけ保ったまま吐く。
②〜④を5回繰り返す
⑤静息
丹田に力を込めたまま、静かにゆっくりと10回呼吸する。