バドミントンを考えるコラム その十三「点数を取る」を考える3

「点数を取る」を考える③

 コントロールが今一つ安定しない状態でも、なんとか失点を減らし、自分の得点へとつなげるために中央付近を狙うというお話を前回しました。今回は徐々に狙う場所を広げていくイメージで考えていきます。

 0.「相手を動かしてから打たせる」前に

 相手を動かしてから打たせることで、タイミングが狂ったり、スイングがずれたりしてエラーを誘える可能性が出てきます。しかし、「相手を動かす」と簡単に言っても、自分のサービスから始まるときは、相手を動かすどころか先に動かされてしまうこともあります。最近ではショートサービスから始めることが主流となっていることもあり、ネット近くから返球されると必然的にシャトルは早く自コートに返ってきます。そのスピードや巧みなディセプション(フェイント)に対応できずにエラーを誘われることも多く起こります。しかし、ロングサービスで最初から強いアタックをされるのは厳しい、と考えた時に大切なことは「サービスを狙ったところに打つ」という単純そうで意外と難しい技術の獲得です。
 もう30年以上前の話ですが、コート4隅にフラフープを置いて、その中に入るようにサービスを打ち分ける練習をしました。罰ゲームは入らなかった数×ケツバットです(笑)。軽いプラスチックバットなので痛くないのですが、「パーン」といういい音がしました。そのうちバットが折れてガムテープで補強することに。そうなると…まじかーとみんな思いましたが…少し重くなりました。「一発入魂気合バット」と書かれたそのバットがあるサービス練習は盛り上がって楽しかったですね。今はそんな罰ゲームはできませんが、サービスへのプレッシャーは現在の方が強いので、しっかりと練習する必要があります。狙い通りに打てているでしょうか?

 1.相手を動かしてから打たせる

 部活動の練習では半面で3点ゲームマッチ(勝ち残り)をすることがあります。しかしコートサイドに出してしまうことが多いので、ルールとしてサイドアウトは-1点、自分が0点の時は即負け、という条件を付けてみました。するとコート中央でのラリーが長くなり、どう得点しようかと考える様子がうかがえました。上級者になればコートから出さないように広くコートを使っていきますが、徐々に広げていく必要があります。まずは左右に打ってみる、そこから4隅を加えて6点へ。そうしていく中でコート中央、前後を加えた9点へと広げていくといいでしょう。中央でのラリーに慣れていれば相手につながれることに対しても抵抗が少ないと思います。
 動いて打つ相手の癖を見ることで色々な情報が得られます。打った後ラケットが下がり準備が遅れる人、打つ前にラケットヘッドを大きく動かす人、移動中やストップで目線の上下動が大きい人、頭を傾ける人、頭を振る人、一生懸命動く人、打った後シャトルをじっと見ている人などはエラーの確率が高いのでラリーを長くつなぐだけでも得点できる確率が上がります。

 2.高いところから落ちてくるシャトルを打たせる

 シャトルとの距離感をつかむのは意外と難しく、高いところから落ちてくるシャトルを打たせるだけでエラーをしてくれる確率は上がります。会場にはまぶしい位置にライトがあった風が吹いていた莉します。そのあたりも試合前などは確認が必要です。また、特に天井の高い会場などでは高いショットは有効です。シャトルなどをとらえる空間認識能力は天井や周りの壁やネットなどの固定物までの距離感を頼りにしています。高い天井の場合、天井までの距離がつかみにくい場合は、シャトルまでの距離感もつかむのが難しくなります。また、高いところから落ちてくるシャトルはコルクが下に向いて落ちてくるのでラケット面の中央付近で当てないと羽の部分がフレームに当たってしまいます。そうなるとうまくシャトルがコントロールできなくなります。さらに、顔を上にあげることで首を後ろに倒す動作をしてしまうと体のバランスが崩れます。フォームのバランスが不安定な方は、うまく立てなくなりタイミングがずれるということも起こります。
 相手がこの高いショットを打つ前に観察していただきたいのは、首を後ろに倒して打つ人、打つ前に大きくジャンプしてタイミングをとっている人かどうか。そういう動作をしている人はエラーの確率も上がっているので狙い目です。

 3.パターンを狙う

 相手がなんとなくつないでくる球、得意な球、苦手な球を観察して、パターン化しているところを読んで早く返球します。

<初級編パターン>

1)バックハンド側奥に速い球を入れて相手がバックハンドを使ったときは、ストレート側を待つ
2)バックハンド側へスマッシュを入れてストレート前を待つ
3)ドロップを打って相手のネットを押し込む
4)フォアハンド奥に速い球を入れて中途半端に返ってくるストレート球をアタックする
5)スマッシュを打って前への返球を早く触る

<中級編パターン>

1)クロスにスマッシュを打ってストレート側を待つ
2)相手のよく使う得意球を読む(クロスカット、クロススマッシュなど)
3)特定の場所から返ってこないところを読んで待ちを狭める
4)フォア前へ入れてクロスロブを狙う
5)顔の当たりに打って前への返球を待つ

<上級編パターン>

1)ストレートスマッシュが来るところを前に入って押し込む、または落とす
2)あらかじめ体近くのバックハンド側へ強い球を入れておき、弱い球を入れてクロスを待つ
3)得意球を打ちたくなるような球を入れて得意球を狙う
4)足を出さなくても触れるような球を目の前、胸あたりに入れてクロスを待つ
5)バックハンド側またはフォアハンド側へ弱い球を沈めて打ち、クロスへの強いロブを狙う

~ひとこと~

初級者は手っ取り早く点数を取る方法として4隅を狙う方法もありますが、長い目で見ると戦術が浅くなり伸び悩みます。得点を取る王道はあくまでも「騙すこと」。最期の上級編パターンでは「騙す」要素が入ってきています。次回は騙すことについて考えたいと思います。

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