ラリーポイント制になり、コーチがアドバイスできる機会が増えました。しかし、その時間は短くなっており的確に話をまとめることも重要となっています。 まず最初は選手の体や心の調子を観察します。力んでいないか、結果に対する反応はうまくできているかを見ます。次に相手選手の長所と短所を見つけ、同じよ うに結果への対応を見ます。この対応次第では動揺を誘う戦術も組み入れます。そして、優勢、劣勢ともラリーのキーポイントとなっているショットを探しま す。そこから、選手の長所を組み込んだ戦術をできるだけシンプルに伝えるよう努めます。結果への意識から力み、得意ショットが乱れた場合は、硬くなってい る部分を指摘しました。体力への不安から思い切った攻めができないとき、長所への自信を意識するよう指示しました。油断からか苦戦したあとは、自己否定さ せないように次への準備に全力を注ぐよう指示しました。
しかし、うまくいかなかった例も多数ありました。こちらからの話しかけに反応が少ない場合で、不安や後悔から動揺し自信を失っている状態や、相手や自分 に対する怒りでイライラした状態になっていました。また、戦術を実行してみたものの一度の失敗であきらめる、逆にうまくいったことから油断が生まれてし まった場合も良い結果に結びつきませんでした。うまくいってもいかなくても結果にとらわれると今に集中できない状態に陥ってしまいます。

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