一つの方法として選手は練習ノートを作ります。目標、練習内容、結果からの問題点、その問題点の修正方法を自分で考え記します。最後に自己評価を 点数で 記入します。いろいろな点数をつけてくれますが、中には低い点数をつける時があります。その理由として、「試合に負けたから」、「怪我で練習できなかった から」、「やる気が出なかったから」等が挙げられます。
“負け”という結果からの評価は、「結果に左右される自信」とつながり ます。つまり、事 がうまく運んでいるうちは良いのですが、少しでも調子が狂ってくると自分の能力を疑い始め、自己否定から自信を失ってしまいます。しかし、「自分の本質的 な能力は基本的に優れている」と思うことから、どんな状況でも自信に満ち溢れている「揺るぎない自信」を得ることができます。これは、一般的に考えられる 「完璧なプレーをする」ということや「結果に甘んじる」ということではなく、ミスショットをしても自己否定することなく、イメージ通りにいかなかった原因 を冷静に探ることができるようになります。
次に怪我による低い自己評価への対応ですが、怪我は心と体のバランスの乱れを教えてくれるものであり、飛躍のための準備期間です。不運を嘆くことなく、その時にやれることを全力で行うことが後の上達につながるということを指導します。
最後に「やる気が出なかった」場合ですが、本来、人はやる気に満ちている状態が普通です。しかし、何らかのストレス(肉体的、精神的)への感情から回復で きていない時、やる気がおこらなくなってしまう場合があります。その原因を探るために、選手との会話を持ち、回復するための手段を指導します。中でも「自 分では変えられないもの」に対して過剰に反応し拘ってしまうため悪い感情からストレスがたまり、疲れてしまう場合があります。「自分では変えられないも の」と「自分で変えられるもの」をしっかりと判断し感情からのストレスをためないことが大切です。感情は技術を引き出す行動と結びつき、結果に大きく影響 を及ぼすためコントロールすることが大切です。
自分では変えられないもの=集中力を乱すもの
1. 環境(照明、床のすべり、壁の色、騒音、シャトルの質など)
2. 人(名声、態度、こそくな戦術、ジャッジミス、技量など)
3. 時間(結果、失敗からの過去への後悔、未来の結果への不安)
4. 体調(怪我など)
自分で変えられるもの
1. 毎日の準備や行動
2. 結果への反応(感情)